高所恐怖症なのに…元日本代表の挑戦「2回目の方が怖かった」 話題になった日本初の体験【インタビュー】
長崎の高木琢也CROが「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」を語った
V・ファーレン長崎の代表取締役 兼 C.R.O(クラブ・リレーションズ・オフィサー)を務める元日本代表FWの高木琢也氏が、新スタジアム「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」の開業に沸いた1年を振り返った。高所恐怖症ながら2度も絶叫体験をするなど、身体を張って魅了をアピールした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全3回の2回目) 【実際の映像】地上約60m…長崎のピース・スタジアム上空を駆け抜けるジップライン ◇ ◇ ◇ 長崎・南島原市出身で国見高校を経てJリーグで活躍した高木氏。日本代表としては歴代7位となる27ゴールを奪うなど、地元のレジェンドと言える存在だ。2013年から2018年まで長崎の監督も務め、昨年は取締役 兼 C.R.Oとして復帰。しかし、当初は「何も分からなかったです」と不安が大きかったという。 「僕はずっとサッカーをやってきましたが、C.R.Oとしてはその土壌ではないところの比重が多かったんです。どちらかというと事業に近い。また、直接事業に関わる仕事だけでなく、社内でも社外でもいろいろな経験をさせてもらって、サッカーとは違う世界を見させてもらった。そういう経験はすごく良かったなと思います」 新スタジアム開業を前にして、レジェンドに任されたのはパートナー企業やファン・サポーター、そして長崎の21市町村とのパイプ役という役割。「継続して良い関係を築くことでクラブへの理解やサポートをお願いしたり、応援したいと思ってもらえるような発信をしたり」。長崎だけではなく全国を駆け回ってきた。 10月にはついにピーススタジアムの開業を迎えたが、そんななかで高木氏にも注目が集まった。ピースタの目玉となるアトラクションの1つが、日本初となるサッカースタジアム上空を滑走するジップライン。これを宣伝するために自らを高所恐怖症だという高木氏が一肌脱ぎ、2度も長崎の空を舞ったのだ。 「僕はやりたくはなかったですけど、やってほしいとお願いされたので(笑)。僕はもう全然ああいうのはダメなんですけど、動き出したら意外と恐怖心が紛れていくというか。ですので、ぜひ来られるチャンスがある時にはやってみてください」 まさかのレジェンドの絶叫体験は、SNS上でも拡散されて大いに話題になった。高木氏は「やっぱり高い場所が怖い人には難しいと思いますけど、そこはもうやる気しかないですね。一度経験して流れが分かっている分、2回目のほうが怖かったです」と苦笑いも見せたが、「ある意味、安全性は証明できたと思います」と胸をなでおろした。 新スタ元年はJ2で3位に入ったが、昇格プレーオフでベガルタ仙台に敗れて涙をのんだ長崎。一方、開幕からピーススタジアムでプレーできる来シーズンに向け、弾みをつけたのは間違いない。そんなストーリーの始まりとなる歴史に残る1年で、長崎のレジェンドこと高木琢也氏が果たした役割は大きかった。
FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo