166センチの左サイドの聖光学院・大嶋、仙台育英を抑えた技巧派の成長に期待【この秋輝いた球児たち】
まったく派手さはないが、面白い投手になる可能性を秘めている。この秋の東北を制し、明治神宮大会(神宮)に出場した聖光学院(東北・福島)の背番号10、大嶋 哲平投手(2年)の投球スタイルに惹かれた。 大嶋の東北、明治神宮大会の成績 左のサイドから、独特の球筋で打者に対峙する。まったく力感のないフォームから、キレのいい直球が低めをつく。右打者へは内角ひざ元の直球やスライダーと、外角へのチェンジアップで攻める。左打者へは、背中から曲がるようなスライダーに、外角に逃げていくスライダーが武器になる。加えて、左打者へはしっかり内角も攻めることができ、外角球もかなり有効になる。一塁へのけん制も得意で、簡単には盗塁をさせないなど、投手としての総合力は高い。 東北大会では全試合に先発。準々決勝の仙台育英(宮城)との大一番では、8回までスクイズの1点のみに抑える好投を見せた。センバツ出場をひきよせる準決勝では、自身初の公式戦初完投でチームに貢献した。自らの意思でサイドハンドに転向したという、努力の左腕が、来年のセンバツに向けてどこまで成長するか楽しみしかない。 166センチ、60キロと小柄。最速は130キロにも満たないが、名門・聖光学院の主軸投手として活躍してきた。明治神宮大会では初戦で6失点(自責3)と悔しい結果に終わっただけに、磨きのかかった「技巧派サイド左腕」が、甲子園のマウンドで躍動する日が来てほしいと願う。