シャープ15年度第3四半期決算発表(全文2)出資受け入れ協議中2社について
鴻海と産業革新機構に対し、社長がどう考えているか
司会:はい。それではここで大阪会場に質問を移したいと思います。東京会場の皆さまには後ほど、またご質問をお受けする機会を設けたいと思います。しばらくお待ちいただきたいと思います。それでは大阪会場よろしくお願いいたします。 司会(大阪会場):こちらは大阪会場です、よろしくお願いいたします。それではご質問のある方、挙手をお願いします。じゃあ。 読売新聞:すいません、読売新聞のカナシマと申します。よろしくお願いいたします。鴻海のことと産業革新機構のことについて、1点ずつお伺いしたいと思います。鴻海については2012年に御社と出資の合意がありながら、翻された経緯があると思いますけれども、そうした過去の出来事についての整理がどういうふうにいま、なされているのか。また同じようなことが起きるのではないかというようなことも含めて、社長がいま、どういうふうにお考えになってるのかをお聞かせください。 高橋:はい、2012年、鴻海さんから、あのときは確か9.9%程度っていうことだったと思いますが、出資いただくということでやりましたけれど、台湾の投資委員会でしたかね、ちょっと名前正確に覚えておりませんが、了解が得られずにっていうことであったと思っております。 で、もちろんじゃあそういう事例がありながら、どういうふうに考えているのかっていうのがいまのご質問だと思います。その後、鴻海さんとはSDPの運営をしております。もうすでに3年、一緒に運営をさしていただいております。その中でお互いの信頼関係というのが築き上げてこれているというところが一番のことだと考えております。 先ほど鴻海さんの場合の、皆さんが懸念されておられる技術流出に対しても、そこでまったくなかったって申し上げましたが、それもやはり信頼関係が醸成できてきている1つの例だと考えております。そういう意味で確かにそういうことがありましたがいま、お互いに非常に、お互いをリスペクトできている状況だというふうに確信しております。以上です。 読売新聞:そうすると、鴻海との交渉の中では例えば万が一のことに備えて、違約金をもし、いま、来ている提案の、たがえるようなことがある場合には、違約金を払ってもらうような形で契約に織り込むとか、そういった措置を執るようなことは特にお考えではないんでしょうか。 高橋:契約いうのは、結構膨大な量がございますよね。で、常識的な契約として、当然そういうのは普通入ってくるもんだと思っておりますので、まだそういう契約を全て締結、もちろんしているわけではないですが、これは別に鴻海さんだけっていうことではなくて、一般的なこういう大きな契約に関しては、そういうポイント、いまおっしゃったようなポイントはどちらに対しても押さえていくべきものだと思っております。それでないと取締役としての責務が果たせないもんだと思っております。 読売新聞:もし鴻海がその交渉の過程で、提案の内容を大きくたがえるようなことがあったり、金額を下げてきたりするようなことがあれば、いま、リソースをたくさん割いているということなんですけれども、その振り向ける先を変えるという可能性はありうるということなんですか。 高橋:いま、ちょっと言われた内容が、こちらになんらかの瑕疵なりがある。で、例えば、金額を下げても仕方がないようなものが出てくるんであれば、それは別ですけれど、いま言われたのがもし、ちょっと言葉悪いかもしれないですけど、理屈に合わないようなことを始まるんであれば、それはもうブレイクですよね、普通。締結にはいかないでしょうね。さっきの信頼関係のまるで裏返しになりますんで。そんなことはもちろんないと信じておりますけれど、そこはレベル問題じゃないと思いますね。もしそんなことがあれば、ブレイクに当然いかないといけないと思います。 読売新聞:それから最後なんですけれども、産業革新機構についてなんですが、同じように鴻海と同様のようにシナジー効果といいますか、事業会社なのでちょっとシナジーというのがちょっと難しいかもしれませんけれども、どういった点に魅力を感じられているのかということについて、お伺いしたいと思います。 高橋:先ほど言いました、2つの固まりの話、ございますね。で、液晶のほうは皆さんご想像されているとおり、将来ですよ、すぐの話じゃないですけれど、革新機構さんが株主になっておられるところとの協業というのは当然、考えれるんだと思います。そこにつきましては当然、直接的な工場であるとか、もっと言えば技術の面でのシナジー効果いうのは非常に大きいんじゃないかなというふうに考えております。お互い、液晶およびディスプレイの技術では、それぞれ特徴的に強いところを持ってるというふうに私は認識しておりますので、そこのシナジー効果は当然あるだろうと。 もう1つ、これも始めのほうでお答えいたしましたように、革新機構さんも液晶じゃない部分の、電子デバイスも含めたシャープのDNAの部分において、先ほども中で説明しました、AIoTであるとかね、あるいは白物家電あるいは通信関係、その辺をそれぞれのシナジー効果を出しながら、というふうに考えていただいておりますので、そこに対しても資金が入れば非常に成長ドライブがかかるというふうに考えております。 読売新聞:分かりました。最後なんですけれども、産業革新機構の提案の中では、経営陣の退任を求めているということがありますけれども、その点については引き受けられるんでしょうか。産業革新機構でいくということになるのであれば、退任をされるような覚悟、あるいはご用意があるのかということ。 高橋:経営責任の、もちろん報道によりますと、退任というのが出ております。ただ、いま私どもとしましては、まずこの構造改革いうのを全力でやり切るっていうことを遂行するのが一番の経営責任だと考えております。それ以降、どうなのかっていうことに対しては、いま時点では考えておりません。その先、もうないんだっていうことになったら、本当の意味での経営陣全体での力は出ないですよね。ですから、自分らはやり切るんだと。私を含めてやり切るんだと、構造改革だけじゃなしにですね。将来にわたってもシャープ、その2つの固まりのシャープが発展していけるためには何が一番いいのかということをいま全力で考えながら、かつ、ご両社のご提案をしっかりと見て決断をしていく。これがいま、一番大事な経営の責任だと思っております。 読売新聞:ありがとうございました。