年金受給者の約6割が「年金だけで100%生活できていない」現状。年金暮らし世帯のリアル「公的年金・貯蓄額・1ヵ月の生活費」をチェック
「人生100年時代」と呼ばれるように、日本人には長い老後が待っています。長く生きるためにはお金が必要ですが、年金だけで十分なのでしょうか。 ◆【年金グラフと一覧表】シニアの平均年金月額と貯蓄額をグラフで見る ファイナンシャルアドバイザーの筆者も年金の相談をいただきますが、そもそも年金をいくら受け取れるかご存知の方は少ないように感じます。 また、自分の生活費についても把握されている方は少ないため、まずは具体的な金額を把握することをおすすめしています。 そこで今回は現代シニアの「年金額・生活費」と「貯蓄額」を覗いていきます。老後対策を進める上での参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金受給者の約6割が「年金だけで100%生活できていない」現状…。
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで100%生活できている高齢者世帯は41.7%です。 つまり、年金受給世帯の約6割が「年金だけで100%生活できていない」ことがわかります。 現役世代にとっては、自分が将来受け取る年金額を具体的に想像するのは難しいかもしれません。 では、現在のシニア世代は、毎月どの程度の年金収入を得ているのでしょうか。 次章では、厚生年金や国民年金の平均受給額について詳しく見ていきます。
【最新】シニアが受け取っている「厚生年金と国民年金」の平均はいくら?
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、「厚生年金と国民年金」の平均受給額を確認していきましょう。 なお、年金は基本的に2ヶ月分が一度に支給されますが、本章では資料のとおり「月額」の年金額で見ていきましょう。 ●シニア全体の「厚生年金」の平均受給額(月額) 〈全体〉平均年金月額:14万6429円(含:国民年金の月額部分) ・〈男性〉平均年金月額:16万6606円(含:国民年金の月額部分) ・〈女性〉平均年金月額:10万7200円(含:国民年金の月額部分) ※国民年金部分を含む 全体の平均は14万台ですが、年金額には大きな個人差がある点に留意する必要があります。 ●シニア全体の「国民年金」の平均受給額(月額) 〈全体〉平均年金月額:5万7584円 ・〈男性〉平均年金月額:5万9965円 ・〈女性〉平均年金月額:5万5777円 現役時代に夫婦ともに厚生年金に加入し、平均的な年金額を受給できた場合、夫婦の月額年金収入はおよそ27万円になります。 ただし、ここから税金や社会保険料が差し引かれるため、十分な金額とは言い切れないかもしれません。 このことからも、年金だけで生活している高齢者世帯が少ない現状がうかがえます。 老後の生活では、収入の多さよりも支出とのバランスを取ることが重要です。 では、老後の生活費は1ヶ月あたりどのくらいかかるのか、次章で詳しく見ていきましょう。