ロシア外務次官「韓国がウクライナに兵器供給すれば、韓ロ関係は完全に破綻」
ロシアのアンドレイ・ルデンコ外務次官は24日(現地時間)、韓国政府に対し、ウクライナに対する兵器供給は韓国とロシアの関係を完全に破壊し、ロシアは必要なすべての措置を取るだろうと述べた。 この日ルデンコ次官はロシア国営のタス通信とのインタビューで、「ロシア国民を殺害するために韓国製の兵器が利用された場合、韓国は(韓ロの)両国関係が完全に破壊されうるという点を認識しなければならない」とし、「もちろん我々は必要なすべての方法で対応する。大韓民国の安全保障が強化されることはないだろう」と述べた。タス通信は、ルデンコ次官が韓国に向けて状況を冷静に評価し、「無謀な措置」を自制するよう要求したとも報じた。同次官は「大韓民国政府は短期的な日和見主義的な考えではなく、長期的な国益の観点に従ってほしい」とも述べた。 ルデンコ次官の発言は、ジョー・バイデン米大統領が米国製の長距離ミサイルなどでロシア本土を攻撃することを許可した後、緊張が高まった中で出たものでもある。今月19~20日、ウクライナはロシアに向けて米国製の長距離ミサイル「ATACMS」と英国の「ストームシャドー」を相次いで発射した。その後、ウラジーミル・プーチン大統領は21日、報復として新型極超音速の中距離弾道ミサイルをウクライナ中部のドニプロに向けて試験発射した。 尹錫悦大統領は先月24日、ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領と首脳会談を行った後、共同メディア発表の場で初めてウクライナに対する殺傷兵器の支援の可能性に言及。尹大統領は「(ウクライナに)殺傷兵器を直接供給しないという原則だったが、そのような部分でもより柔軟に、北朝鮮軍の活動によっては検討していく可能性がある」と述べた。 その後の7日に開かれた記者会見では「北朝鮮軍の(ウクライナ戦争への)関与の程度によって段階別に支援方法を変えていく」とし、兵器を支援するならば「防衛兵器から優先的に考慮している」と述べた。殺傷用兵器という表現の代わりに防衛用・攻撃用兵器を区分して段階的な支援の可能性を示唆したということだ。 ルデンコ次官は、韓国政府の動きが西側の影響によるものとみている。同次官は「韓国の当局者たちは、北大西洋条約機構(NATO)のような『類似の立場の人々』の支援を受けて北朝鮮を圧迫するために(ウクライナの)特別軍事作戦区域にいる北朝鮮軍に対する話を人為的に広報し続けている。そのうえでNATO同盟と緊密に協力している」と主張。ロシアと北朝鮮の協力関係にも問題はないという立場だ。朝ロの二国間協力は「一般的に認められる規範と国際法に合致し、韓国を含むどの第3国にも向けられるものではない」とし、「ウクライナ紛争は朝鮮半島とは何の関係もない」と主張した。 さらに、米国と欧州連合(EU)が台湾に兵器を供給したことで「台湾海峡で意図的に緊張を高めている」とし、「米国とEUを含む衛星国家は、ウクライナを反ロシアにし、我々の伝統的な友好・親善関係を傷つけるために使ったのと同じ方法を(この地域で)使っている」とも述べた。 ベルリン/チャン・イェジ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)