年金振込額が年内に変わる人もいるって本当? 厚生年金・国民年金で気をつけたい「制度の落とし穴」
【元銀行員が解説】年金に頼りすぎない「老後生活」を送るために
年金から引かれる制度や仕組みが思ったよりも多いなと思われた方もいるかもしれません。 公的年金も所得になりますので、控除されてしまうことは仕方ない側面もあります。 とはいえ、そのまま何も手を打たなければ、実際の年金生活になった際に困ってしまう方も少なくないでしょう。 大切なのは、少しでも早いうちから老後生活のため対策を考えておくこと。何事もそうですが、直前で慌てて準備しようとしてもうまくいかないものです。 年金の繰り下げ受給によってもともとの受給額を増やすことや、金融商品を活用して少しでも計画的に老後資金を準備することも選択肢の一つ。個人年金保険やiDeCoなどを活用して、自分だけの年金を作る方も見受けられます。 NISAなどの制度を活用して資産形成を始める方も増えてきました。2024年からNISAの制度が拡充されたことをきっかけに資産形成について関心が集まってきています。 準備するための選択肢は世の中にたくさん存在しています。それゆえ情報過多になりすぎて、なかなか最初の一歩が踏み出せない方がいるかもしれません。 自分にはどんな選択肢が合っているのかを確かめるためにも、まずは理想のゴールや老後生活をイメージして、逆算的に方法を考えていけるとよいでしょう。
年金制度や天引きの「落とし穴」に注意しよう
今回は年金の「落とし穴」について確認してきました。 年金からの天引き(特別徴収)によって、年金受給額は「額面」金額から減ってしまうのが現状です。 国民年金の平均受給月額は「5万6316円」、厚生年金の平均受給月額は「14万3973円」。これらはあくまでも額面の金額で、実際にはさらに受け取れる金額が少なくなります。 とくに貯蓄をあまり進められていないケースでは、年金だけに頼らない老後対策を早めに進めておきましょう。 実際に自分が年金を受け取る際「こんなに少ないはずじゃなかったのに」とならないためにも、老後に年金を受給するタイミングになってから慌てないよう、早い段階から準備するのがポイントです。
参考資料
・厚生労働省「生活設計と年金に関する世論調査(主な調査結果)」 ・厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」 ・厚生労働省「介護保険制度の概要」 ・厚生労働省「高齢期における年金制度」2023年10月24日 ・豊中市「公的年金からの特別徴収額が10月から急に高くなったのはなぜですか」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・LIMO(山本大樹)「厚生年金・国民年金で気をつけたい「落とし穴」税金、保険料…天引きされるお金の正体」※上記記事の数字を一部引用しています
神田 翔平