ステージキャラクターは"女豹" アジア選手権で銀メダルの弾みを付けてオールジャパンへ「私らしさを出して審査員を迷わせる」
「この大会では、順位以上に得られたものが本当に大きかったです」 モンゴルのウランバートルにて開催された『2024 IFBB ASIAN CHANPIONSHIPS MONGOLIA』(以下、アジア選手権)のビキニフィットネス168cm以下級で、2位の成績を収めた廣中れな(ひろなか・れな/34)選手はそう話してくれた。 【写真】廣中れな選手の女豹ような鋭い眼光で魅せた肉体美(バックポーズあり)
アジアの大舞台に向けて廣中選手はどのように臨み、何を体験してきたのだろう。 アジア選手権が行われたのは、モンゴル時間で7月6日・7日の2日間。梅雨時期の日本とは違って乾燥したモンゴルでは、自身の身体と相談しながら水分を少し増やしたり糖質を摂ったりと細かな調整を行い、50.1kgの最小値で大会当日を迎えた。 「マッサージ、食事、水抜きなどやれることはすべてしましたが、去年のALL JAPANほどのコンディションにはできませんでした。どうしても皮1枚までにはならなかったのですが、気にしすぎてステージングが疎かになってもいけないので、『最高の状態だ!』と思ってステージに向かいました」 舞台の裾から中央に出てくるまでのウォーキング、そして中央からのI(アイ)ウォークには、“廣中れな” らしさが溢れ出ていた。日本で見る廣中選手とは明らかに何かが違う。吸い込まれそうなほど力強いステージングは、「海外仕様に変えたんです」と教えてくれた。 アジア選手権でのステージキャラクターは女豹。 「キュートさが好まれる日本では、このキャラは『ドギツイ』と評価されていました。だけど、アジアで通用するのか確かめたくて、今回はやりたいようにやる!と決めていたんです」 次のポーズに移る前にもう一度、目線を審査員に移したり表情を逐一変えてみたり。まるで獲物の狩りに行くかのようなハンターの表情とオーバー気味のムービングは華やかで、廣中選手にしか出せないオーラだ。 そんなエキゾチックで個性あふれるステージングは、その場にいた審査員だけでなく中継を見てくれていた一般の方の心をも掴み、多くのメッセージが寄せられたという。 「1位を獲るつもりだったので、2位で申し訳ない気持ちも、いつになったら優勝できるんだろう……と悔しさもあります。でも、ステージを見て『感動した!』とか、選手ではない方からも『勇気づけられた』とか、『れなさんの後を追いたい』など男女問わず言ってくださって。順位という結果だけでなく、人の心や感情を動かすことができたことが本当に嬉しいです」 英語でコミュニケーションを取らなければいけない環境、海外選手や審査員との国際的な交流、トップレベルの審査員に直接指導してもらったこと、世界でも自分の個性は通用するという自信。