東京・立川のPLAY! MUSEUMにて開催中の「ONE PIECE ONLY」展へ!「誰も見たことがない」規格外の展覧会に行ってきました!
「ONE PIECE ONLY」展「誰も見たことがない」『ONE PIECE』とは
ジャンプコミックス100巻と「週刊少年ジャンプ」連載1000話の色校正や印刷刷版を作者の尾田栄一郎さんの原画とともに紹介。「週刊少年ジャンプ」やコミックスが作られる制作現場の映像も。 【画像32枚】「ONE PIECE ONLY」展の展示の一部を公開! 今回の展示のメインは原画やネーム、編集部の仕事についてのアーカイブが中心ではなく、製版、印刷を含めたもののアーカイブになっており、世界で5億部以上売れているマンガはどういう文字が使われているのか。どんな組版指定がされているのか。など普段目にできない内側を見る事が出来る展覧会。一枚の紙から数百万部の本となって読者の手元に届くまでを追う、まさに“誰も見たことがない”「ONE PIECE ONLY」展の見どころを紹介します!
視界すべてが『ONE PIECE』!大絵巻「The Wall」
1997年から始まった『ONE PIECE』のコミックス1巻から109巻までの全巻全話を展示。高さ3.6m、長さ140mの曲面に2万ページを超えるページがひと続きの壁になっています。こちらはコミックスをばらし、全巻全話を手作業で貼っており、スタッフ8人がかりで1か月ぐらいかかったそうです! 筆者自身も持っている『ONE PIECE』のコミックスを目の当たりにして「すごい!こんなにあるのか!」と思わず声が漏れてしまうほど驚きでした。圧倒される凄い量のマンガに一気に包まれるという大迫力の体験です。 大好きなあのシーン、あの頃読んだあのシーン、涙して全然先に進めなかったあのシーン…などなど、あなたのお気に入りの場面を是非思い出と共に探してみてください。 筆者も連載当初から今までずっと『ONE PIECE』を追っていますが、連載当初は小学生の子どもで、今はもうすっかり大人になりましたが(!)あの頃、友達たちと『ONE PIECE』の話で放課後はいつも盛り上がっていたな~とか、ここの話は受験勉強中の休憩で息抜きに読んでいたな~など。思い出してほっこりしました。
『ONE PIECE』の秘密と本質に触れる「宝箱」
「週刊少年ジャンプ」に掲載された、『ONE PIECE』の1000話、コミックス100巻メイキングやアートプリントを展示。一枚の紙からマンガになり、コミックになり、アートプリントが出来ていく制作の過程・メイキングの貴重な資料を19個の大小さまざまな宝箱の中で展開しています。 「集英社マンガートヘリテージ」のアートプリントそして二丁製本や印刷のカバー、7色分の刷版などがずらりと並びます。100点以上のアートプリント作品を会期内に一挙展示(展示替えあり)! こちらはオフセット印刷機を模したもの。上が刷版と、下がブランケットといわれるものだそうです。『ONE PIECE』コミックス100巻が一気に2冊分印刷できるように192ページの面が全部収まっているそうです! そして写真家 本城直季さんのまるでミニチュアのように見える出版社や印刷所の空撮写真などと共にマクロの視点とミクロの視点でも宝箱の中身を紹介しています。 1970年代などは大型の活版平台印刷機は下町にどこにでもあったそうですが、今はおそらく2台ぐらいしかないとのこと。世の中に作品そのものを残す事と、失われゆく印刷技術や伝統技術を次世代に残していくための大変貴重な資料の展示を見る事が出来ます。 校了紙、構成紙、「週刊少年ジャンプ」の入稿指定、印刷所の樹脂版などを展示。カバーの色校正や、どうやってコミックスがつくられていくのかを追っていきます。 黄色の樹脂版は技術革新によって、今は黒い半紙のフィルムと半透明の樹脂版に変わってしまいもう作られていないという貴重なもの!『ONE PIECE』1000話も、この樹脂版で印刷されたそうです。是非会場で生でご覧ください! 色の濃度を少しずつ調整した、カバーの色校正を並べていて、ぱっと見ても、どこがどんな風に違うのか一見わかりづらいですが、この細部までの細かいこだわりがずっと続いているそうです。 そして、「週刊少年ジャンプ」で掲載した『ONE PIECE』1000話のネームと原画、また作者である尾田栄一郎さんの仕事場の写真と尾田さんが実際に使っているものと同じ白い紙と鉛筆が展示してあり、そこからすべてが始まっているんだな。と、とても印象深いものとなっていました。 日本のマンガの多くは基本的に分業制ではなく、漫画家さんがほぼ一人で物語をつくり、コマ割りをし、絵を描き、作者の尾田栄一郎さんは動くものは全部自分でペン入れをするそうです!それを毎週、もう27年間も!本当に大変で、もの凄いお仕事の一部を見る事ができました。