箱根駅伝「往路優勝トロフィー」、亡き伝統工芸士の弟子が初めて製作…テーマはパリ五輪
来年1月2、3日の第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で、往路優勝校に贈られる伝統工芸「箱根寄木細工(よせぎざいく)」のトロフィーが18日、神奈川県箱根町でお披露目された。トロフィーを長年制作してきた伝統工芸士の金指勝悦(かなざしかつひろ)さんの死去後、弟子たちが初めて一から手がけた作品となる。
今回のトロフィーのテーマは「パリ五輪」。本体はエッフェル塔をイメージし、頂上には優勝カップを載せた。台座には、自然の木の色を生かして、フランス国旗などをデザインした。
金指さんは2022年夏、翌年の99回大会を前に82歳で亡くなった。100回大会までのトロフィーが制作途中で残っており、金指さんの工房「金指ウッドクラフト」(箱根町)の弟子たちが、台座などを作って完成させた。金指さんは生前、制作する年の出来事や流行などからテーマを決めていたという。
今回はテーマやデザイン全てを弟子たちが考えることになり、100回大会が終わった直後、金指さんの妻・ナナさん(66)が「平和の祭典・パリ五輪をテーマに」と提案。デザインは30~40歳代の弟子4人が話し合って決めた。弟子の一人でおいの金指雲流(うんりゅう)さん(46)が制作を担い、3月から約半年かけて完成させた。
ナナさんは、「想像以上の出来。主人が亡くなった後もトロフィーを作り続けることができ、弟子たちも喜んでいる。伝統の寄木細工をつないでいきたい」と話している。