性感染症がテーマの音楽フェス 「勇気がいる」「話すのが難しい」 パートナーとの安心できる関係作りのきっかけに
日テレNEWS NNN
4月14日は、性別にかかわらず、家族や友人、職場の同僚など、お世話になっている人に感謝の気持ちを伝えるパートナーデー。この日、性感染症をテーマにした音楽フェス『BLUE HANDS TOKYO』が、東京・渋谷区のMIYASHITA PARKで開催されました。初めての開催となった音楽フェスの様子や主催者の思いを取材しました。
主催したのは、自宅でできる性感染症の郵送検査キット『smaluna check(スマルナチェック)』を提供する株式会社ネクイノ。2021年に『#しかたなくない』をキーワードに、体や性にまつわる「しかたない」と諦めていることへ声をあげるプロジェクトを渋谷発で展開。その一環として、パートナーとの性行為の前に性感染症の予防を呼びかける音楽フェスが実現しました。 イベントには、フェスのコンセプトに賛同した6組のアーティストが参加し、ライブパフォーマンスを披露。さらに性感染症の予防、検査の重要性を呼びかけました。 また会場には、安心な性行為に対する『賛同の輪』を体現するように、未来に手をかざす“共通ポーズ”で写真を撮影できる『表明写真機』やパートナーとの安心できる関係を目指して、心がけたいことや相手に伝えたいことを打ち明けるメッセージボードなど、抱えているモヤモヤやイベントで得た気づきを可視化できるエリアが設けられました。
■音楽フェスと性感染症予防 人々と対話しやすいコミュニケーションの形
株式会社ネクイノの代表・石井健一さんは、開催のきっかけについて「僕たちは医療系のスタートアップをやっているんですけども、医療に関わる課題、コミュニケーション、特に性感染症が今色々な注目を受けていると思うんですけど、難しいことを考えずにふわっと話し合うとか考えてみる日を作ってみてもいいじゃないかなと思って。今までのこの領域に対する発信って、どちらかというと自分に矢印が向いてたと思うんです。“自分が病気にならないように”とか、“自分がなったらどうする?”という話で、それだと少し弱いかなと思っていて。自分の大切な人とか、自分が存在しているコミュニティーとかのことを思うと、もう一歩前に進めるんじゃないかなって思ったので、4月14日のパートナーデーにターゲットをおいたという経緯があります」と明かしました。 また、音楽フェスという形でイベントを開催したことについては、「どういうふうなコミュニケーションの形を取ると、人々と対話しやすいかなと思った時に、アーティストを通じて、今まで僕たちが出会ったことがない人たちに対してコミュニケーションしていく形がいいんだなと思って。最近はインターネットが普及したので、検索をする人とか目的にする人に対して、コミュニケーションを取るのは簡単になっています。でも、そうじゃない人たちと接点を作るには、インターネットって逆に不便で、リアルな音楽とかアートとかっていうふうな接点を使ったコミュニケーションの形に期待しています」と、対話しやすい空間やきっかけ作りのために、音楽を取り入れたといいます。