性感染症がテーマの音楽フェス 「勇気がいる」「話すのが難しい」 パートナーとの安心できる関係作りのきっかけに
■性感染症の報告数が多い若い世代に向けて「信頼できる正しい情報を一本筋として置いておく」
厚生労働省が発表した2021年の性感染症報告数によると、若い世代における性感染症の報告数が多いことが明らかになっています。この問題を受け、このイベントでは特に若い世代に向けて、性感染症について知ってほしいという思いがあるといいます。 石井さんは、報告数が多い背景について「一定のセグメントの中で、セックスに対するアロケーションというのが増えてきてる、アクティブな世代が増えてきているっていうのは間違いないことだと思うんです」と指摘。「セーフセックスという言葉が、エイズのときに少し出てきたと思うんですけど、安全に性に対してアクティブになっていけるような関係性を(パートナーと)どう作っていくのかっていうのは、次に考えなきゃいけないこと」と、課題をあげました。 そうした背景のほかに、誤った知識の伝達やSNSでのあやふやな情報の広がりがあるという現状を指摘し、「僕たちがやるべきなのは、本当の信頼できる正しい情報を一本筋として置いておく。ここにできる限り、多くの人たちにプラットフォームに参加してもらって、それが真実になるような情報になっていけばいいんじゃないかなと思っています。困った時にここを見にいくとか、この人が言ってるから大事だというような人格だったり存在っていうのが増えていくと、SNSの活用っていうのもいい方にぐるぐる回ってくるんじゃないかな」と語りました。
さらにイベントでは、メッセージボードにメッセージを書くなど、条件を満たした参加者に向けて、自宅で性器クラミジア・性器淋菌の検査ができる性感染症の郵送検査キットが配布されました。 無償での配布について、「商品としては存在しているので、自分自身に検査のニーズがあったりとか検査しなきゃいけないって思われてる方にとっては、すでに手が届く環境にはなってるんです。一方で、こういうイベントを通じてやりたいのは、まだそこまでたどり着いていない方々に“こういうのがあるんだ”とか、“一回やってみようかな”という形ができることが大事だと思っていて、そのきっかけに手渡しというものがどのくらい影響があるのかを測ってみたいなって思って配布させていただきました。できる限り、早く医療機関にかかれる、医療にアクセスができるような関係を作っていきたいのが、私たちのミッションでもあるので、無償配布をやってみました」と、明かしました。