「香取慎吾」フジ連ドラ11年ぶりの期待度「SMAP時代では考えられない役」にも挑戦
■“嫌われ者”役も そんな「日本一の最低男」で香取が演じるのは、家族や子どもが大嫌いだというタイトルどおりの役どころ。主人公は不祥事を起こして勤めていたテレビ局を退社後、世間を見返してやろうと政治家を目指し、選挙でのイメージアップのために“最低な行動”を取るという。 香取といえば、2000年頃に「サタ☆スマ」(フジテレビ系)で一大ブームを巻き起こしたキャラクター「慎吾ママ」や、06年放送のドラマ「西遊記」(フジテレビ系)で演じた主人公・孫悟空役、09年放送のTBS系主演ドラマ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(TBS系)の両津勘吉役など、底抜けに明るいキャラクターを演じる機会も多く、長らく“陽”のイメージが定着していた。 しかし、近年の香取はSMAP時代では考えられないような“嫌われ者”を演じる機会が増加。中でも19年公開の主演映画「凪待ち」では、暴力的でギャンブル狂の主人公を演じ、絶望的な状況に追い込まれるダウナーな演技が話題を呼んだ。前出の編集者が話す。 「22年公開の主演映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』では、デリカシーのなさから妻にSNS『旦那デスノート』に不満を書き込まれる“ダメ夫”を好演。いつもしっかり者の香取さんのイメージとのギャップが印象的でした。最近、これまでとは違う方向性の役柄に次々と挑戦している香取さんですが、業界内外で『演技により磨きがかかった』とますます評価を上げています」 ■SMAP時代は「イメージに近い役柄」 最近の香取について、芸能評論家の三杉武氏は次のように語る。 「香取さんといえば、主演を務めたNHK大河ドラマ『新選組!』や『透明人間』、『人にやさしく』などSMAPのメンバーだった頃から数多くのドラマや映画で活躍を見せています。10代の頃に出演した『未成年』では知的障害がある室岡仁役を好演し、当時からその演技力は業界内でも高い評価を受けていました。他方、国民的アイドルだったSMAP時代は、松田優作さん主演の人気映画をリメイクしたドラマ『蘇える金狼』などハードボイルドな出演作もありますが、どちらかというとそのタレントイメージに近い役柄を演じることが多かった印象です。それが年齢やキャリアを重ねた近年、以前には縁が薄かったような役を演じる機会も増えていますし、俳優として今後ますます存在感を放ちそうです」 進化を遂げ、テレビの第一線に返り咲いた香取。生粋のエンターテイナーである彼が、どんな“最低男”ぶりを見せてくれるか楽しみだ。 (小林保子)