後輩・令和ロマンに誓うM-1リベンジ 地元埼玉に活路求めるストレッチーズ ウエラン井口〝悪口〟に奮起
ウエラン・井口は「悲しい人」
――昨年の「M-1グランプリ」で準々決勝敗退。2年前、初の準決勝進出を果たしただけに悔しかったのでは? 高木:この10年で僕ら、けっこうスクスク育ってきたつもりだったんですよ。M-1敗退が決まった瞬間からネタの反省点を考えて、「じゃあ来年はこうしてみよう」みたいな目標に向かって一歩ずつ前進してきた感じというか。それが去年崩れたから、「あ、ヤバい」と思って。「もう成すすべないかも」って気持ちに初めてなりましたね。 福島:去年の準々決勝は想像以上にウケなくて。「もうちょっと笑いきてほしいな」と思ったまま終わっちゃったから、前向きな反省もできない感じだったんですよね。 高木:相方と話し合っても具体的な策が出ないから、「シンプルにいっぱいネタ作ってみるか」ってことになって。それで、今年は新ネタ6本披露するライブを6カ月連続でやったんです。僕らに期待してくれてるお客さんは、「今年のストレッチーズは本気だ!」みたいに言ってくれたんですけど、実際のところは「パニックになったから」っていう(笑)。ただ、いっぱい作り過ぎて、M-1のネタをどれにするか絶賛悩み中です。 福島:去年までは、決めた1本をずっとやってたんですよ。1週間あったら、昨日も今日も明日もやってネタを仕上げていく感じで。でも、今年は数が多いから、ライブにかける配分もまばらになって正直はかり切れてないところがありますね。とはいえ、何とか間に合わせたいと思います! ――新ネタライブ「漫才工房」で切磋琢磨する先輩には、M-1王者のウエストランドがいます。何かアドバイスをもらったりすることはありますか? 高木:井口(浩之)さんは背中で見せる先輩で、マジメなことは滅多に言わない。少し前に「漫才工房」ではない普通のライブで一緒になったんですけど、井口さんって楽屋入りから「はいー、敗北者ばっかり! おかしいじゃん、僕だけ芸能人でさ。お客さんがおかしくなっちゃってるよ、見方がわかんないもん」とかってずーっと言ってくるんです(笑)。楽屋だけじゃなく、ライブ中も。 福島:けど、今もすっごいテレビに出てて寝る時間もないはずなのに、けっこう僕ら後輩の情報をチェックしてる。「なんかお前、趣味やってんなぁ」みたいな感じで井口さんがイジってくれたときに「うわー、よく見てくださってるな」と思います。だから、たぶん気にはしてくれてるんだけど、歪な形で表現してしまうっていう(笑)。 高木:悲しい人なので、井口さんは(笑)。基本的には嫌なことばっかり言ってきて、僕らを奮い立たせてくれる方ですね。本当にたまにどうしても聞きたいことがあって飲みの場で話すと、真剣に答えてくれたりもしますけど……そういうのあんま言いたくないな。とにかくめちゃくちゃお世話にはなってますね。