「ハン代行は内乱特検を即時公布せよ」…首相官邸に向かう市民
「内乱特検、即時公布せよ」、「内乱共犯者ハン・ドクスが拒否権とは何事か」 週末を控えた20日夕刻、ソウル鍾路区(チョンノグ)の東十字閣(トンシプチャガク)前を出発したペンライトを手にした市民の行進は、三清洞(サムチョンドン)の首相公館前で止まり、スローガンを叫び続けた。叫びは尹大統領と与党「国民の力」を飛び越え、大統領権限代行のハン・ドクス首相へと向かった。 1500あまりの市民社会労働団体が集う「尹錫悦(ユン・ソクヨル)即時退陣・社会大改革非常行動(非常行動)」はこの日、「内乱共犯者ハン・ドクス拒否権緊急糾弾大会」をおこなった。非常行動が今週月曜日以降、しばらく行われていなかった平日夜の集会をおこなったのは、国会で可決された法案に対する拒否権は行使する一方で、市民の圧倒的な支持を受けて国会で可決された内乱特権法とキム・ゴンヒ特検法の公布に対しては積極的な立場を示さないハン代行に、糾弾の声を届けるためだ。 この日の集会に参加した会社員のヤン・ガインさん(29)は、「(ハン代行は)国民に選ばれてもいない人なのに、国民に選ばれた国会が可決した法案を非常に積極的に拒否したので、あきれた」とし、「(12・3内乱事態のときに)国務会議に出席したことから内乱の同調者と変わらない人間が拒否権を乱発しているため、何かしなければならないと思って集会に来た」と話した。ハン代行は19日に臨時国務会議を行い、「共に民主党」などの野党主導で国会本会議で可決された「農業4法」(糧穀管理法、農水産物の流通および価格安定法、農漁業災害対策法、農漁業災害保険法)、および国会法と国会証言鑑定法の2法案に対する再議要求権の行使について審議し、行使を決定している。 市民がよりいっそう懸念するのは、特検法に対する拒否権行使の期限、憲法裁判官の任命などを控えるハン代行の今後の動きだ。友人に会いに景福宮前に来て、たまたまハン代行糾弾大会が行われることを聞いて参加したチュ・ミナさん(35)は、「内乱特検法とキム・ゴンヒ特検法は早急に処理しても足りないのに、時間を稼ごうという魂胆が明らかだ」と話した。ウン・ヒジュさん(39)も「(憲法裁判所で弾劾訴追案が認容されるには)憲法裁判官の任命が重要だが、(ハン代行が)拒否権を行使するのをみると、(任命しないことの)布石かもしれないと考えて参加した」と話した。ハン代行が大統領室に対する捜査機関の家宅捜索令状の執行を許可しないなど、「内乱罪被疑者」である尹大統領をかばうような姿勢を示していることも、市民の不安を刺激する要素だ。 市民は、ハン代行は政治家ではなく公務員として国民の意思に従うべきだと声を強めた。国会で可決されて政府に移送された12・3内乱特検法とキム・ゴンヒ特検法について、拒否権行使期限の前日の12月31日までに検討するという首相室の生ぬるい態度に対する批判だ。キム・ドンハンさん(71)は「二つの特検法を弄ぶこと自体が、権限代行の本分を錯覚しているもの」だとし、「長いあいだ公職生活をしてきたハン代行は、公務員として国民のみを考えて特検法などを公布する義務がある」と話した。 イム・ジェヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )