個人向け社債が高利回りで人気集中! 2023年度発行額は14年ぶりに2兆円超え
【マネーの教科書】#72 楽しみながら資産運用ができる個人向け社債が人気だ。 名古屋鉄道(名鉄)は創業130周年を記念して、11月25日から個人向け無担保社債を販売する。期間は5年で利率は年0.6~1.2%(仮条件)。100万円単位で購入できる。購入者には名鉄商店オンラインストアのクーポンコード2000円相当がプレゼントされる。また、抽選でペア宿泊券なども当たる。 麒麟・田村裕さん「ホームレス中学生」の印税1億円は全部使ったと明かす…バスケ芸人で食いつなぐ日々 ■預貯金に替わる運用先 社債は最低購入単位1億円程度で機関投資家向けに発行されるのが一般的だが、それを小口化して100万円程度から購入できるようにしたのが個人向け社債。このところ個人向け社債を発行する企業が多く、2023年度は14年ぶりに2兆円を超えたという。企業にとっては資金調達の方法を多様化できるメリットがあり、個人投資家はインフレで目減りする預貯金に替わる運用先としてニーズがありそうだ。 東急も12月2日から第15回無担保社債を販売する。期間は5年で利率は年0.78~1.18%(仮条件)。これは「個人向けグリーンボンド」と呼ばれる社債で、集めた資金は社会課題や環境課題を解決するための車両の新造などに利用される。購入者には抽選で宿泊券や鉄道模型などがプレゼントされる。 さらに高い利率が得られる個人向け社債もある。ソフトバンクグループは11月28日から第64回無担保社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)を販売予定だ。期間は7年で利率は年2.85~3.45%(仮条件)。購入者には「お父さん応援隊長 ハンドタオルセット」のプレゼントがある。 より少額で投資ができる個人向けデジタル社債も登場している。丸井グループは3月にエポスカード会員向けのデジタル社債を募集した。1万円から購入できて利率は年1%。このうち0.7%分はエポスポイントとして受け取る。資金は再生可能エネルギー発電所の取得に活用される。 個人向け社債は高い利回りが得られるが、発行元の企業が破綻した場合には、利子の支払いや元本の償還が行われない可能性がある点には注意が必要だ。安全性を重視するなら個人向け国債を購入するのもいいだろう。SBI証券、野村証券、日興証券などでは現金をプレゼントするキャンペーンを実施中だ。 (ジャーナリスト・向山勇)