アトランタ連銀総裁、大幅利下げの利点を指摘もペース確約には否定的
(ブルームバーグ): 米アトランタ連銀のボスティック総裁はインフレと雇用の間でリスクのバランスが取れてきているとして、大幅な利下げで緩和サイクルを開始するのは金利を中立水準に近づける上で有益だと述べた。
一方で、当局としては大幅利下げペースを確約するべきではないとも指摘。景気を刺激せず減速もさせない自然利子率(中立金利)の想定水準を巡る不確実性と、インフレが再燃する可能性への懸念を理由に挙げた。
ボスティック総裁は23日、欧州経済・金融センター(EEFC)主催のイベントで講演。「私としてはインフレへの懸念が残るため、先週の初回利下げは比較的小幅な動き、例えば25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)で折り合いが付いたかもしれなかった。しかしそうした動きはこの先の労働市場に対して高まる不透明感と整合しなかっただろう」と述べた。発言内容は事前原稿に基づく。
先週の連邦公開市場委員会(FOMC)では多くの予想に反し、50bpの大幅利下げが決定した。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は「労働市場は底堅く、その状態を保つのがこの日の政策措置の趣旨だ」と説明。労働市場が軟化しインフレが沈静化する中で、「後手に回らないことへのコミットメントのサイン」でもあることを強調した。
大幅利下げ選択のFRB、パウエル議長は確実な軟着陸達成を目指す
ボスティック総裁は23日の講演で、インフレ面では「著しい進展」を当局が遂げた一方、雇用に関する責務においてはリスクが増大したと述べた。
原題:Fed’s Bostic Says Large Cut Bolsters Labor Market, Pace Not Set(抜粋)
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Jonnelle Marte