レザーマン史上最高の切れ味を誇るブレード!40周年を飾る新フラッグシップモデル「ARC」
■サブツールが取り出しにくい問題を解決
標準的なAスタイルのプライヤーは、フルサイズモデルとしてはやや厚みの薄いタイプで使いやすい。先端まで滑り止めのトレンチが切ってあるので、細かい物も掴みやすいですね。ワイヤーカッターは交換可能な154Cを採用。ハードな使用でも交換可能なので気兼ねなく使えます。プライヤーにはスプリングは内蔵されていません。 多機能なマルチツールにありがちな、メインツールのナイフやノコギリ以外の「サブツールを取り出しにくい問題」を解決したフリーアクセス機能。基部にある突起を親指の腹で押すとサブツールだけが起き上がります。目的のツールを展開し、それ以外を畳む。従来モデルや他社製品と比べて格段に使いやすいシステムです。 ドライバービットやマイクロビットは交換が可能。本体に備えるプラスとマイナス以外に9本のビットキットが付属し、計20種の用途に使えます。個人的にはヘキサタイプだけでも1.5mm~5mmまで6種類あるのが嬉しい。 ドライバー以外も幅広のマイナス、キリ、缶切り、栓抜きなどがあります。幅広のマイナスドライバーは、自動車関係のユーザーには好評のツールです。取り出しやすい位置にあるのも良いですね。元々、レザーマンの生みの親であるティム・レザーマンは、旅行先で使ったオンボロレンタカーを修理する際にマルチツールを作ることを思いついたと言われています。
■アニバーサリーモデルにふさわしい造り
性格と用途がハッキリと分かれたヤスリ。比較的安価なモデルだと用途の区別がよくわからないヤスリが多いですが、レザーマンのそれはハッキリしています。金属ヤスリはこのタイプが一番使いやすい。ナタや斧のタッチアップにも使えます。 フルサイズモデルの定番ツールであるノコギリ。木の枝を切るには充分な強度と切れ味があります。ナイフをはじめ、外側に付いたツールはすべて片手で展開できます。 そしてハサミは、使える位置に収まりました。マルチツールのハサミは、ともすればおまけのような存在といったモノが多い中、LEATHERMANのハサミはしっかり使えるという印象があったのですが、「FREE」以降はハンドル外側になり、さらに実用性が高まっています。しかもバネ板によるリターン式なので、とても使いやすい! ビットキット抜きで20種のツールを備えたフルサイズモデル。重量は244gとかなりずっしりとした重量感ですが、ツールの数や大きさから比較すると割と軽いかも知れません。ビットキットを収納可能なグレーのナイロンポーチが付属します。 これまで最も高価だったチタンハンドルを有する「CHARGE+ TTi」を凌ぐ「ARC」。もちろん円安の影響も多分にあるかと思いますが、性能、品質ともにアニバーサリーモデルにふさわしい造りです。マニアとしては飾っておきたい衝動に駆られますが、この使いやすさと厳選されたツールの素晴らしさは、使ってこそ味わえるものです。
<取材・文/GOL>