板垣李光人の挑戦! ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』のこれまでにない役作りで挑む新キャラクターとは?
◆これまでの役にはなかった体作りが挑戦となっている ──この作品で挑戦となっているのはどんなところですか? 「撮影に入る前から、挑戦してますね。準備段階のところでも、原作の細い線の薪像はありますが、リアルで考えて、いろんなものを踏んできての立ち位置にいる人間ということを考えると、ある程度の原作の雰囲気は崩さないままでも、体をもう少し作りたいと思いました。原作を読んで薪のことを知っていたら、そこは気にならないと思いますが、原作を読んでいない人が観ても違和感がないように、トレーナーさんにお願いして、食事から体重、トレーニングまで全部管理してもらって、4キロぐらい筋肉を増やしています。これまでの役でそういう役作りをすることがなかったので、僕にとって大きな挑戦なんです」 ──体が変わることでどんな変化を感じましたか? 「スーツを着たとき、フィット感を感じました。今年『news zero』の水曜パートナーを3ヶ月やらせていただいて、毎週スーツを着てたんですけど、その時と違う感覚でした。より薪らしく、スーツを着たときに役に入れるなという感覚が楽しいです」 ◆初の個展の開催で気づきを得られた ──挑戦といえば、今年の秋に初の個展「愛と渇きと。」を開催するなど、アーティストとしての顔も見せてくれました。 「個展の開催は、改めて自分自身を見つめ直す時間になりました。自分がマスターピースと思って描いた絵ではない絵が人気だったのも面白かったです(笑)。『血清』という作品の評判がよくて。実はサクッと描いたものなんですよ(笑)。そうやって自分が考えているものと、周りからの評価にズレがある、というのを改めて知ることができて勉強になりました。絵を描いている時間は自分と向き合う時間ですし、誰か仮の役を立てて、そこに感情を生ませて、絵を描いていくというやり方をしていたので、それも自分が役者をやっているから、そういう描き方なんだなと思ったし、本当にいろんな気づきがありました。皆さんや関係者の方から感想をいただけたのもありがたかったです」 ──これからアーティストとしての活躍も楽しみですが、俳優業で作品に入っているときは、なかなか絵を描くのは難しいですか? 「そうですね。作品に入っているときは、ほぼストップしますね。でも、やっぱり今回個展をやってみて、もっとこういうのをやりたいとか、こうしたいみたいって欲求が出てくるんですよね。いつになるかは分からないですけど、次はこういうことをしたいって構想はあるので、いつでもできるように準備をしておきたいという思いはあります。でも、一番は役者の仕事を大切にして、メインにやりながらになります」 ──最後にファッションの話を。モードラバーとしても名高い板垣さんですが、秋にパリを訪れていますが、何を購入されましたか? 「パリでまた“新たな旅路の始まり”のような靴を買いました。日本に未入荷のデザインだったようなんですが、カラフルで靴先にジョーゼットのボウ(リボン)が付いていて、すごくロマンチックで素敵なんです」 『秘密~THE TOP SECRET~』 2025年1月カンテレ・フジテレビ系にて放送 月曜22:00-22:54枠 凶悪・重大犯罪において、被害者および犯人死亡の際、その脳を特殊なMRIスキャナーにかけ、生前の記憶を映像化する「MRI捜査」を行う科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”。その映像は、死者が「見た」ものであるため、幻覚や病気、妄想、先入観をも映し出されてしまう。第九の創設メンバーで室長である薪(板垣李光人)は、ある事件により、親友であり同僚だった鈴木(中島裕翔)を亡くしてしまう。その後、薪の前に、鈴木にうり二つの新米捜査員・青木(中島裕翔)が配属される。2人は、死者が最期まで秘めていた“想い”や“秘密”をも見てしまうことで、心に罪の意識と葛藤を抱きつつも、難事件を解決するために奮闘し、かけがえのないバディとなっていく。 いたがき・りひと 2002年生まれ。10歳で俳優デビュー後、幅広いフィールドで活躍。主な出演作に、ドラマ『silent』『青天を衝け』『どうする家康』、映画『約束のネバーランド』『陰陽師0』『ブルーピリオド』『八犬伝』など。俳優業のほか、アーティストとして、2024年秋、東京・渋谷PARCO「GALLERY X BY PARCO」、名古屋、大阪で初個展『愛と渇きと。』を開催した。映画『はたらく細胞』が12月に公開予定。 photography:Emiko Tennichi styling:Takahisa Igarashi hair&make-up:KATO<TORON> interview&text:Miku Sugishima