韓国・尹大統領「非常戒厳」発令から解除までの経緯 背景に支持率低迷や夫人疑惑も
■株価操作や高級バッグ…尹大統領夫人に疑惑浮上
さらに、妻を巡る疑惑も追及されていた。 尹大統領夫人であるキム・ゴンヒ氏には、知人の会社の株価操作に関与した疑惑や、不法に高級ブランドバッグを授受した疑惑、ソウルーヤンピョン間の高速道路で路線変更を巡る疑惑、選挙の公認を巡る介入疑惑などが指摘されていて、これら大統領夫人のスキャンダルで政権への逆風は強まっていた。 さらには、最大野党「共に民主党」はキム夫人を巡る疑惑などを政府から独立した特別検察官に捜査させる法案、通称「キム・ゴンヒ特検法」の成立を目指していて、12月10日に採決される予定だった。
■韓国大統領の罷免事例 過去には朴槿恵氏が失職
戒厳令を発令しながらも議会に解除されてしまった尹大統領だが、今後弾劾(だんがい)される可能性はあるのだろうか。 過去に韓国で大統領が弾劾・罷免(ひめん)されたのは2017年、朴槿恵(パク・クネ)大統領(当時)。 親友が国政に介入した事件を巡って国会で弾劾が可決され、韓国の憲法裁判所が「朴大統領の弾劾は妥当」と判断したことで、韓国史上初めて大統領が罷免された。 韓国の憲法では大統領に職務違反や不正などがあった場合、国会の弾劾で罷免が可能になる。弾劾訴追案の発議には議員300人の過半数の賛成が必要で、可決には3分の2以上の賛成が必要になる。 可決した場合、大統領の職務は停止され、180日以内に憲法裁判所が弾劾の可否を判断する。裁判所の所長を含む9人のうち6人以上が賛成すれば弾劾は確定し、大統領は罷免される。 ちなみに朴元大統領の場合は、決議からおよそ3カ月で失職となった。 (「大下容子ワイド!スクランブル」2024年12月4日放送分より)
テレビ朝日