クルーザー×スポーツの次世代バイクで43歳ルーキーライダーがバイク上達気分を体感!【インディアン 101 SCOUT試乗】
考えるな!感じるんだ!と101スカウトが言ったとか、言わないとか
とはいえ、地底から響いてくるようなエンジンの鼓動に応えられている感じはまだ薄い。私の技量がこのバイクの平均値にも辿り着いていないと思って、直線、コーナリングと、これでどうよ?とさらに試していく。そして、これはクルーザーと思って乗らない方がいいのでは?という見解に辿り着いた。 そう思って峠道を走ったら余計な思考や力みがなくなったのか、コーナーで「カリッ」と一瞬ステップのバンクセンサーを擦った。あわわ、擦った!と焦りつつ、このバイクを少し掴めた気がして嬉しかった。思っていたよりもスポーティなバイクでありつつ、バンク角がそんなにないことが体感できた瞬間だ。 ようやくバイクのキャラクターに寄り添えた気がして、満を持して「スポーツ」モードに変更。意思をもってスロットルを大きく開けると、瞬時に正解!と言わんばかりの加速を見せてくれた。 信号待ちで止まったときの視界の高さやエンジンから感じる熱も相まって、1250ccのロー&ロングということに改めて気づく。乗っているとスポーティさに感心してしまうのだが、101スカウトはクルーザーなのだ。 たとえばスポーツ走行を愛する女性ライダーは、この「クラブスタイル」をどう感じて、どう走るのだろうか?小柄なライダーでも足つきはさほど心配ないと思うので、この101スカウトで華麗に走っていたら相当カッコいいだろうなと思う。なぜなら、このユニークなバイクで峠道を抜け、高速を駆け抜けていく真夏のワンシーンは、なんだか自分ちょっとカッコよくないか?と妙に自己陶酔感があったから。ぜひ、そんな女性ライダーに会ってみたいと願うばかりだ。
ツンツンツン(たまに)デレをドヤ顔で乗る!自己満足のススメ
少し慣れたと思っても、Uターンに気づきがあった。そもそもまだUターンに苦手意識があるとはいえ、101スカウトの場合はハンドルをきると余計に遠くなるのでフルで早めにきらないといけない。もちろん慣れもあるだろうが、走りも含めて、こうした気づきがあるたびに脳内で某キャラクターが「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱っている光景が浮かんだ。なんだろう、そう言われている気がするのだ。でも嫌な叱られ方じゃない。 それにしても最新スカウトシリーズのフラッグシップモデルである101スカウトがこんな尖ったバイクだと思っていなかったので、最初は面食らった部分もある。スカウトローグ(1133cc)のように、バイクビギナーにもやさしくておすすめのクルーザーとは正直言い切れない。私の印象では、ツンツンツン(たまに)デレといった感じで圧倒的にツンが多かったのだが、でも嫌いじゃない(笑)。むしろ「これに乗ってる私カッコいいよね!」と胸をはって自慢できるような優越感を101スカウトはもたらしてくれた。 撮影の翌日は1人で再び高速なども走ってみたが、初対面のときよりなんだか寄り添えた感じがした。まだまだ101スカウトの魅力を引き出した走りじゃないにしろ、マシになったなと言われたような気分だ。そんなこともありドヤ顔で乗っていたからか、信号待ちで隣の見知らぬ車の人から満面の笑みでサムズアップのサインをいただいたことも、忘れずに書きとめておきたい。