ドイツの議員、来年2月23日の総選挙実施で合意-当局者
(ブルームバーグ): ドイツのショルツ首相が所属する社会民主党(SPD)と野党の議員らは、来年2月に早期総選挙を実施することで合意した。協議に詳しい複数の政府当局者が明らかにした。
非公開の協議内容を話しているとして匿名を条件に語った同当局者によると、総選挙はもともと来年9月28日に予定されていたが、2月23日に前倒しで実施される見通しとなった。
ショルツ首相は12月16日の信任投票を目指す意向で、これにより総選挙実施への道筋を付ける。
欧州最大の経済規模を持つドイツでは、連立与党の一角を占めていた自由民主党(FDP)のリントナー財務相をショルツ首相が先週解任。連立政権は崩壊し、政局混迷に陥った。連立与党内では対ウクライナ軍事支援を強化するための資金調達を巡り、意見が対立していた。
自動車産業をはじめ製造業の低迷でドイツの経済見通しは暗い。そこに政治的危機が追い打ちをかける。ドイツ政府はまた、返り咲きを果たしたトランプ次期米大統領にも向き合う必要がある。トランプ氏は欧州諸国に関税を賦課する強い姿勢を示しており、過去のドイツ首相らとの関係も良好とは言えなかった。
世論調査では、野党のキリスト教民主同盟・社会同盟(CDU・CSU)が選挙では優勢と示唆されているが、ショルツ氏は10日、2021年の選挙では不利を示唆する事前の世論調査を覆し逆転で首相の座を勝ち取ったことを引き合いに出し、勝利する自信はあると明言した。
CDU・CSUの首相候補、メルツ氏は12日の会見で、「いわゆる進歩的な連立の3年を経て、今こそ首相は新たな選挙に道を開く時だ」と述べ、「ドイツは眠れる中間国家であり、積極的な中間国家になる必要がある」と続けた。同氏はさらに「私は、欧州のための新たな欧州のリーダーとなることを保証する」と表明した。
原題:German Lawmakers Agree to Hold Early Election in February (1)(抜粋)
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Michael Nienaber