「過去最高のピッチャーじゃないかと」五十嵐亮太が語る37歳ダルビッシュ有の進化“しょんべんカーブ”から日米200勝投手へ「ダルビッシュが凄いのは…」
行動の原点は「探究心」
彼の野球人生を振り返ると、道を切り拓いてきた最大の武器は、こういった行動の原点にある「探究心」ではないかと思います。ピッチングを進化させていくことに対して、常に努力を怠らない。わからないことや身につけたい技術があれば後輩だろうが先輩だろうが尋ね、くまなくリサーチして情報を自分の中に取り入れる。その上で取捨選択しながら、自分の技術に落とし込んでいくという部分が凄く上手い。 時代の変化という点で言えば、僕がメジャーでやっていた頃、ちょうどダルビッシュが高卒でNPBに入った2000年代は、投げたいボールや変化球があれば、指導者や先輩など人づてにたずね感覚を伝えてもらったり、写真や映像を見て研究する。それを実際にやってみて、数をこなした上で自分に合うかどうか判断していたという時代でした。 ところが2010年代に入りダルビッシュがMLBで活躍し始める頃には、トラックマンやホークアイなど分析する機械が次々に生まれ、ピッチングの世界は日進月歩で変わっていった。今や変化球一つにしても、投げたいボールがあれば、どの角度でどういうスピンをかければいいかということが数値として示されています。 「答え」がない中で、感覚を探りながら導き出してきた時代から、「答え」があらかじめ示されている中でそれをどう再現するかという時代へ。ダルビッシュは、元々変化球を投げるのが大好きな投手ですから、こういったデータもいち早く活用し、自分が必要な情報をスマートに、どんどん取り入れていったと思います。 「答え」が出ているから簡単かというとそうじゃない。マニュアル通りやれば身につけられるわけではなく、その先は再現性とか感覚の部分が非常に重要になってきます。データには“その先”があって、ダルビッシュは見つけた「答え」をどうやって自分の技術に落とし込むのか、さらに良くするにはどうすればいいかを導き出して、その先にある新しいものを見つけることまでできる。感覚が凄く敏感で、発想力やイメージする力が豊かなのだと思います。
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