【老齢年金の受給開始が70歳からになる可能性はある?!】リタイア後の収入ゼロ期間は「個人年金保険で備える」でOK?老齢年金の受給開始が70歳からになる可能性はある?!
繰下げ受給は何歳まで生きればお得?損益分岐点は?
「繰下げ受給」によって毎月の年金額が増えるという利点がある一方、受給開始後すぐに亡くなってしまった場合、総受給額は減少する可能性があるため、その点には注意が必要です。 では、実際に何歳まで生きれば、繰下げ受給のメリットが得られるのでしょうか? 以下の図は、65歳、70歳、75歳のいずれかのタイミングで受給を開始した場合、通常の65歳受給と比較して、どの時点で総受給額が逆転するのかを示しています。 この結果、 ・年金受給開始「65歳」と「70歳」の損益分岐点は「81歳」 ・年金受給年齢「65歳」と「75歳」の損益分岐点は「86歳」 ・年金受け取り開始年齢「70歳」と「75歳」の損益分岐点は「91歳」 であることがわかります。 年金の繰下げ受給は、長生きするほど総受給額が増えるため、メリットが大きくなります。 しかしあくまで長生きが前提となるため、必ずしも「総受給額が増える=繰下げが有利」とは限りません。繰下げ期間中は年金収入がないため、その間の生活費をカバーする資産や収入源が必要です。 また、繰下げを予定していても、予期せぬ病気や状況変化に対応できるよう、柔軟な判断が求められます。繰下げ受給は長寿を見越した選択であることを理解しておくことが重要になるのです。
公的年金以外の老後資金対策
では公的年金以外の対策として具体的にどういったものがあるのか見ていきましょう。 ●iDeCoや積立NISAの活用法 老後の資金対策として個人年金で備えている人も多いようですが、それ以外にも有効な方法があります。 例えば、iDeCoは掛金が全額所得控除され、節税効果が期待できるだけでなく運用益も非課税で再投資が可能。また、新NISAでは年間360万円までの投資が非課税で運用でき、長期的な資産形成に適しています。 これらの制度を活用することで、リスクを分散しながら安定した老後資金を確保することができるでしょう。 実際に50代からiDeCoと積立NISAを併用し、60歳までに1,000万円以上の資産を築いたことで年金受給を繰下げ、ゆとりのある老後を実現したというケースもあります。資産運用を早期から行うことで、退職後も余裕ある生活を送ることが可能になる例は少なくありません。