スピンオフで誕生企業、株価アウトパフォーム傾向-トライバリエート
(ブルームバーグ): 米国の企業スピンオフ(分離・独立)案件は2025年に伸びが加速する見通しだ。また、過去の事例を踏まえると、誕生した企業は投資家に確実なリターンをもたらす見込みだ。トライバリエート・リサーチがリポートで指摘した。
同社データによると、分離された新企業の株価パフォーマンスは、その後1年半-2年間にS&P500種株価指数を平均10%上回る傾向にある。 一方、分離後に残った企業はスピンオフからの1年間でS&P500種並み。リポートは先月発表された。
今年、スピンオフ増加に拍車をかける要因として考えられるのは、スピンオフの成功事例が最近相次いでいることやアクティビスト(物言う投資家)の圧力の高まり、企業の合併・買収(M&A)活発化に伴う規制対応の必要性だ。物流大手の米フェデックスは既に、大物貨物を扱うフレイト部門を1年半以内にスピンオフする計画を発表している。
トライバリエート創業者アダム・パーカー氏は「スピンオフ企業の堅調なパフォーマンスは、うまく価値を解き放つ方法を模索している経営陣にとって一つのバロメーターになり得る」と指摘した。
スピンオフの利点を裏付ける証拠はたくさんある。過去3年以内にスピンオフされた企業で構成するブルームバーグ米国スピンオフ指数は、昨年62%上昇した。手続き完了から5日間の取引では、残った企業のパフォーマンスを下回るが、最初の400営業日で見ると平均12%上回ることがデータで示された。
トライバリエートによると、スピンオフが多い業種は工業、テクノロジーハードウエア、エネルギー。また、スピンオフ後のパフォーマンスは、高い利益率やフリーキャッシュフローの伸び、債務の少なさなど、スピンオフ前の企業の質にも左右されるという。
原題:Spinoff Stocks’ Outperformance to Spur Breakups, Trivariate Says(抜粋)