中国国営メディア、アップルなど米企業を称賛 貿易摩擦再燃懸念の中
[北京 28日 ロイター] - 中国の国営メディアでは、アップルやテスラなど米国の一部企業との「強固な連携」をたたえる報道が増加している。トランプ米政権復活で貿易紛争の再燃が懸念される中、中国側に1期目のような対立激化を避けたい思惑がうかがえる。 トランプ次期米大統領は25日、米国で医療用麻薬オピオイド蔓延の原因となっている中国製化学物質の流入を止めるため、中国製品に追加で10%の関税を課すと表明した。選挙戦では、中国製品に60%を超える関税を課すと警告したこともある。 トランプ政権1期目に企業幹部や外国人投資家は、貿易摩擦が激化する中でどの米企業がメリットを受け、どの企業が打撃を受けるか判断するヒントを求めて中国国営メディアを精査した。 国営メディアの環球時報は27日、アップルやテスラのほか、スターバックス、HPを中国のパートナーと強固な連携を築いている企業として称賛。 「米国の政治家は、企業にとって適切な政策環境を整えて経済貿易協力を進めようとする米企業の取り組みに注目し、尊重する必要がある」と伝えた。 またチャイナ・デイリーは、モルガン・スタンレーが3月に中国事業の拡大について規制当局の承認を受けており、これは外国金融機関の中国投資への熱意の証拠だと報じた。 トランプ氏の最初の任期中、中国当局は貿易紛争について公式にコメントすることはあまりなかった。 中国政府はトランプ氏が表明した10%の関税について直接はコメントしていないものの、ワシントンの中国大使館関係者は貿易戦争に勝者はいないと述べている。 上海の米商工会議所が9月に実施した調査によると、今後5年間の中国事業の見通しについて楽観的な見通しを示した米国企業はわずか47%だった。