補強無し阪神の隠れ優勝候補説を和田監督にぶつけてみた!
そろそろプロ野球開幕直前恒例の順位予想の季節になってきた。球場で顔を合わせる評論家諸氏は、それぞれが所属先のテレビ局やスポーツ新聞で発表することになっているので、それとなく予想を先に聞いているが「広島」「巨人」を優勝候補に挙げる人が多い。それでも、2位、3位というAクラスの予想には、必ず阪神が入っている。「優勝」とまで公言するのは、阪神密着型のOBしかいないが、実は、昨年オフにすべての補強に失敗した阪神が、隠れ優勝候補として浮上しているのだ。 先発はメッセンジャー、能見、藤浪、岩田の4人が順調にオープン戦を終え、不透明だった5番手、6番手として岩本、岩崎という若手が結果を出している。今季のセで間違いなくナンバーワン・ストッパーであるオ・スンファンに繋ぐ中継ぎでは、福原が怪我で出遅れているが、島本という左キラーのスペシャリストが生まれ、球威で押せる松田が怪我から復帰。ルーキーの石崎もプラス戦力として計算が立ち層は厚くなった。オープン戦のチーム防御率は、20日の時点で1.96。ソフトバンクの1.87に次ぐ12球団2位の数字だ。 打線では、西岡の「3番・三塁」の是非が議論の対象となっているが、和田監督は「1番・鳥谷」「2番・上本」「3番・西岡」「4番・ゴメス」「5番・マートン」「6番・福留」「7番・梅野」「8番・大和」というスタメンで開幕の中日戦に臨む決意を固めた。出遅れが心配されたゴメスにも一発が出て、右肘に不安のあったその西岡も急ピッチで仕上げていて、ここにも死角らしい死角は見当たらない。 対してライバルチームには、マイナス要素が目立つ。巨人の現状のローテーションで2桁の計算が立つのは菅野くらい。2人の新外国人は、球威はあるが制球は今ひとつで攻略の糸口は見える。ルーキーの高木がローテーションの3番手扱いでは厳しい。沢村と西村の役目を配置転換した7、8、9回の投手構成も不安だ。打線には、長野がギリギリに滑り込んできそうだが、4番打者の顔も不透明。原監督も「厳しい」と口にしている。 黒田が入ったことで評判の高い広島だが、エルドレッドの開幕が絶望。代役となるべき、ロサリオもいまだに下で調整中で、阪神から移籍してきた新井兄も肘に異常を訴えた。菊丸コンビは健在でも、主軸がグスマンでは心許ない。黒田、マエケン、大瀬良、野村、新外国人のジョンソンと先発は高いレベルで揃ったが、新ストッパーに指名したヒースまでの中継ぎの整備がおいついていない。 緒方構想では、一岡、中崎の2人らしいが、1シーズンのコンディションがもつかどうか。今村の復調も待たれるが、そのヒースにしても、走者が出て揺さぶられると、どうなるかわからない。こうやって、広島、巨人のマイナス要素を鑑みると消去法でも阪神が逆に本命に押し出されてくる。 指揮官の和田監督に隠れ優勝候補説を直撃してみた。