補強無し阪神の隠れ優勝候補説を和田監督にぶつけてみた!
――オフに補強に失敗。どうなるのかと心配をしていたけれど、隠れ優勝候補としての評判が高い。ご自身も自信があるのでは? 「今の時期に、それがなかったらどうしようもないでしょう」 ――去年との差は? 「去年は開幕前の時点で見えないものが多かった。新戦力のゴメスも出遅れていたし、オ・スンファンにしてもやってくれるとは考えていたが、日本の野球は初めてなわけだから。そう考えると、今年は、去年の実績からの上積みを期待できると思う」 ――不安要素はない? 「キャンプ前には、どうかな?と考えていた不安要素が確かにあった。でもキャンプ、オープン戦を通じて、そこが埋まりつつある」 ――5人目、6人目の先発であり、オ・スンファンの前の中継ぎ陣の充実。打線で言えば、代打も含めたチームの厚みですね? 「そうそう」 ――さっき記者会見を覗かせてもらったけれど打線問題で色々と質問を受けているね?まあ、そこが阪神の監督の大変さで、あなたもそれには慣れているんだろうと思うけど(笑)。 「(笑)。残り3試合で開幕を想定した打順になると思う」 ――指揮官も優勝を目標として、ハッキリと口にできるのでは? 巨人の戦力が整わないうちに開幕ダッシュを成功しておきたいでしょう? 「今年はやりますよ。見ていて下さいよ」 和田監督は筆者の肩を頼もしくポンと叩いた。 ただ阪神隠れ優勝候補説に異議を唱える識者もいるので最後に追記しておきたい。 元千葉ロッテの里崎智也氏だ。 「私の順位予想は広島、巨人、阪神の順番です。巨人と阪神の差がどこにあるかと言えば選手層です。オフに鳥谷が海外FAを行使して大騒動となりましたが、もし、その鳥谷に怪我なりのアクシデントが起きればどうなりますか? また大和をコンバートするんですか? 代役を果たせる若手育っていますか? また中継ぎに関しても、去年は、福原、安藤のベテラン2人に頼っていますが、今年も継続した安定感を求めることができるのかという不安もあります。代わりとなる戦力は不透明です。一方の巨人は開幕前に故障者が続出していますが、そこまでの緊急事態ではありません。代わりの選手がちゃんといるんですよ。この差は長いシーズンで考えると小さいようで大きく、巨人を阪神より上に予想しました」 代役も含めた選手層では確かに巨人には劣る。井端のような3つ以上のポジションでレギュラーを晴れるユーティリティーなプレーヤーは阪神には不在だ。また年間、10数試合程度と言われる采配で勝敗が分かれる試合を、今季は勝ちに転ばせることができるのか?というベンチワークの問題もある。 筆者は、阪神の隠れ優勝候補説をおおいに推したい一人ではあるのだが、さて……。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)