「純一郎さんは今回の出馬に反対している」 小泉進次郎氏が不安視される理由 「妻の滝川クリステルさんがアキレス腱に」
「正義の味方として自分を登場させる」
しかし、いくら「マーケティング」で糊塗してイメージを作り上げようとしても、政治家としての“空虚さ”“軸のなさ”を隠し続けることはできない。それが露呈したのが、2015年から17年まで務めた自民党農林部会長時代。進次郎氏が挑んだのは「農協」の改革だ。 「団体栄えて農業滅びる。こんなことは絶対に許されない」 父親を彷彿させる言い回しで全農を批判し、改革案の折衝を続けた進次郎氏。が、全農や自民党農林族議員の反発を抑え込めず、党が了承した「農業競争力強化プログラム」の一部が骨抜きに。進次郎氏は「負けて勝つの思いだ」と言うのがやっとだった。 「進次郎さんが批判したのは、農協が農家に販売する肥料や農薬や農業機械が高過ぎる、ということでした。しかし、彼が全農や農協を一方的に悪者にする形でアドバルーンを上げた時から、農協改革の失敗は運命付けられていたと思います」 そう話すのは、農業ジャーナリストの浅川芳裕氏だ。 「そもそも農業資材の費用が高いのは、政治の側が決めた農協、全農を優遇する制度が大きな要因になっている。それを正すのが農林部会長としての本来の役割であるにもかかわらず、全農や農協を悪者にして、正義の味方として自分を登場させる格好にしたわけです。その方がメディアには取り上げられやすいですが、本質的な改革からは外れてしまっているのです」 改革の失敗を受け、「私はまだまだ青いと感じた」と述べた進次郎氏。 別の政治部デスクが言う。 「部会長の時はチームで仕事をするので失敗しても進次郎氏だけが責任を負うことにはなりませんが、大臣は違います。進次郎氏の地金が完全に出たのは、環境大臣を務めた時だったといえるでしょう」
「周りに持ち上げられ、成長できなかった」
19年9月22日、環境相就任直後に出席した気候行動サミットでの、 「気候変動のような大きな問題は楽しく、かっこ良く、セクシーに取り組むべきだ」 という発言はあまりにも有名である。その翌日にも、 「今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけないと思っている」 との“迷言”を発した。 「あれを聞いた時は椅子から落ちそうになりました。“天才子役”として周りが持ち上げ過ぎてしまったために、成長できなかったのでしょう。演説がうまいと言われていたからこそ、ウケる話をしようという思いが強くなって、中身のない、首をかしげざるを得ないような発言をしてしまうのだと思います」(前出の伊藤氏)