シリーズはまだまだ続く!フォーミュラEの魅力と見どころをチェック
決勝は勝負の勝敗を分ける「アタックモード」に注目!
決勝は普段私たちが使用している公道で抜きつ抜かれつのバトルが繰り広げられる。もちろん安全性は最大限確保されているが、サーキットのようなランオフエリア(コースオフした際の安全確保のために設けられたスペース)がないため、ミス=クラッシュというスリリングなものとなっている。 どのコーナーにも高い金網が覆われており、撮影にはハードルが高いかもしれない。しかし、安全性を確保しつつも、極めて近い距離からレースを観戦することができるのもフォーミュラEの魅力の一つである。 狭い公道の中を、日常では考えられないスピードで行われる抜きつ抜かれつのバトルは見るだけでもエキサイティングだ。しかし、レースを見るうえで各チームの作戦や意図を知ることができればさらに観戦が面白くなる。 フォーミュラEには一時的にパワーをあげることができるアタックモードというものがある。アタックモードはアクティベーションゾーンと言われる区間を通過すると起動することができ、レース中に2度使用することが義務付けられている。 アタックモードの継続時間は合計8分間であり、2回の義務のうち、2分間と6分間、4分間ずつ、6分間と2分間という3通りから選択。 パワーアップできるチャンスのアタックモードだが、レーシングラインを外れた箇所に設定されているため、タイミングを誤ると順位を大きく落としてしまうリスクが潜んでいる。 フォーミュラEにおいては戦略において最も重要な部分であり、いつ、どのタイミングでアタックモードを使用するのかの決断が勝敗の分かれ目となる。
回生エネルギーを利用した駆け引きも勝利のカギ
そしてもうひとつ注意して見ておきたいのが、電気残量だ。電気量は決まっており、はじめから最後まで全開で走るとガス欠ならぬ電欠でゴールすることができない。そのためドライバーは常に電費を気にしながら走らなければならないのだ。 ライバルとのバトルを繰り広げながらも、ブレーキング時の回生エネルギーを利用してエネルギーをセーブするなど電費走行も求められる。フォーミュラEでは、クラッシュなどが発生した際に出動するSC(セーフティカー)の出動時間によって周回数が増える。(サッカーでいうところのアディショナルタイム) ドライバーやチームはゴールから逆算してエネルギーのマネジメントを行うが、上記のようにシチュエーションによって周回数が変わるため、その場の状況に応じて作戦を再構築しながら走らなければいけない。それでもぴったり電池残量0でゴールするドライバーの技術には脱帽だ。 バトルはもちろんだが、各ドライバー・チームの作戦や動きを注視するとレースの凄さや難しさ、チームスポーツの側面が見えてきてよりレースを楽しめることができるので注目してみてほしい。 東京E-Prixに次いで13日と14日には、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで2日連続のラウンド6、ラウンド7を開催、その後、モナコにおいてラウンド8が展開される。まだまだ見どころたっぷりの今シーズン、海外イベントの動向にもしっかり注目しておきたい。
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