「最期まで綺麗に」50代以上の層でアートメイクの需要増か 終活への意識と「この年齢だしもういいや」からの変化
Aさん(64) 「難病を抱えた周りの人の中には、早くに亡くなる人もいたんです。せっかくこの歳まで生きられたのだから、最期まで綺麗でいたいって気持ちがあって」 施術から数日後、改めてAさんに話を聞いた。 Aさん(64) 「新しい命というか新しい風が吹いたというか、そういう気持ちで、鏡を見ることにも前向きになれました。 今まで時間がかかっていたまゆ毛を描くのが楽になって時短にもなるので、これからは『いつもより丁寧にファンデーションをぬろう』とか、『アイメイクに挑戦してみよう』とか、わくわくしています。 外に出ることにも前向きになれそうだし、私たちのような年代の人にとって外に出るって、健康面でもすごく大事なことだから、『この年齢だし、いいや』と思っていた部分もあったけど、施術を受けて本当に良かった。 “終活メイク”としてもすごく良いと思う」 ■気軽にデザイン変更できない 注意点も 気軽なものと捉える人もいるかもしれないが、アートメイクは針を使って皮膚に色素を注入する医療行為。看護師の柴田さんによると、施術後の痛みや皮膚トラブルは少ないというが、まれに数年後にアレルギー反応が出ることもあるという。 また、まゆ毛にも“流行り”があることにも注意が必要だ。 医療アートメイク専任 柴田看護師 「個人差や施術内容による差はありますが、2~3年は色素が残り完全には消えません。 濃くしすぎると違和感を感じる場合もあります。特に代謝が落ちる年代は色素が残りやすいため、理想の形を保てる反面、すぐにデザインが変更できないというデメリットもあります。 理想のデザインだけでなくリスクをよく考えて施術を受けてほしいです」 アートメイクの施術を受け、筆者に「あなたもやってみたら」と勧めてくれたAさんも、取材の最後に「自分が納得できることが大事」だと指摘した。 Aさん(64) 「すごく良かったから、みんなやったら良いと思うんです。でも、どこでやっても良いっていうわけではなくて、看護師や医師の対応を見て説明を聞いて、信頼できるクリニック、安心できる環境でやることも大事なんじゃないかな」
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