噛ませ犬か?RIZIN版ロッキーか?朝倉未来の大晦日再起戦はなぜ王者ではなく前王者のドミネーターになったのか
大晦日の総合格闘技イベント「RIZIN.26」(さいたまスーパーアリーナ)の追加カードが10日、都内のホテルで発表され、11月の大会でRIZIN初黒星を喫した人気YouTuberでもある朝倉未来(28、トライフォース赤坂)が前DEEPフェザー級王者の弥益ドミネーター聡志(30、teamSOS)との再起戦に挑むことになった。0-3の判定で敗れたRIZINフェザー級初代王者の斎藤裕(33、パラエストラ小岩)との再戦を希望する朝倉にとって絶対に負けられない再起戦となる。
「相手が誰でもすぐ倒せる」
いつものサングラスにふてぶてしさ。11月21日のRIZINフェザー級王座決定戦で判定負けした朝倉は異例の間隔での連戦にも“らしさ”を忘れていなかった。 「11月に判定負けしたが、大晦日なんで盛り上げるために出場を決めた。視聴率を取れるのは俺しかいない。(相手が)DEEPのチャンプじゃないのか?とも思ったが、誰が相手でもすぐ倒せる」 榊原信行CEOは、当初、大晦日で斎藤とのダイレクトリマッチを考えていた。だが、朝倉の強烈なカウンターを食らった斎藤が、ベルトと引き換えに鼻骨骨折の代償を負い、再戦は来春以降に持ち越しとなったために急遽決定した代役カードである。 ドミネーターも、そこを理解した上で皮肉をこめてこう朝倉を挑発した。 「みんなが目指している大舞台に立つ資格があるとは自分では思っていないんですが、朝倉未来選手が今回復帰戦で、絶対に落とせないというところで自分みたいに、ただ格闘技を習っているだけの会社員を選んでいただいた。(RIZINのマッチメイクの)素晴らしいリスクマネジメント能力によってここに座っているので、できるだけ頑張りたい」 噛ませ犬上等である。 スーツにネクタイに身を固めたドミネーターはこう続けた。 「前回タイトルマッチで負けているので誰とやりたい、どこでやりたいとか言う資格はありません。その中で頂きうる最上級のオファーをもらった。会社員として働きながら格闘技をやってきたことに誇りを持っているので、そこを汚さないように挑戦の気持ちを忘れないように受けさせていただいた」 2018年10月に第9代DEEPフェザー級王者となったドミネーターだが、今年の9月20日に牛久絢太郎との防衛戦で判定負けして王座から転落している。失うものは何もない。 狙うは、予定していた挑戦者が怪我をしたため、世界王者のアポロ・クリードから突然、挑戦者に指名された無名のボクサー、ロッキー・バルボアが大善戦を見せた映画「ロッキー」の世界である。