スタート前に練習しても急激に上達するわけじゃない! ラウンド前練習で重視するポイントをレッスンプロに聞いた
スタート前練習は「うまくなるため」にやるわけではない
コースに頻繁に足を運ぶのが難しいゴルファーのなかには、ラウンドでいきなりボールを打つことに抵抗を感じる人もいるでしょう。 【動画】「コースには2時間前に到着」 試合前の入念な練習内容がスゴすぎる! これが原英莉花の“モーニングルーティン” 実際の映像です
そこで、スタート前にはゴルフ場に併設されている練習場に行って調整したいと考えている人も多いかもしれません。ラウンド前の練習では、どのようなことを重視すればいいのでしょうか。レッスンプロの関浩太郎氏は、以下のように話します。 「スタート前の練習時間は限られており、ドライビングレンジに行って20~30球打ったところで急激にショットがうまくなることはありません。練習場に行く際は上達目的ではなく、軽く何球か打って当日のコンディションや球筋の傾向を把握し、それに合わせてプランを考えることが重要だと思います」 「たとえば『今日はダフりが多めだな』と思ったら、スイングの最下点が右寄りになっている可能性が高いので、ボール1個ぶん右にずらすように意識するといいでしょう。ほかにも、弾道がスライス気味だった場合は無理して直そうとせず、進行方向より左を向いて曲がる幅をカバーするといった作戦も考えられます」 「スコアカードに当日の傾向をメモするなどして、把握できたコンディションと対策を忘れないようにすると、ミスの幅を小さくできるでしょう」 ドライビングレンジでドライバーやアイアンを打った後、専用グリーンでパターの練習をする人も多いはずです。パッティングにおいては、芝の刈り込み高やコンパクション(地面の硬さ)がボールの転がり方に直結します。 グリーンのコンディションも日によって大きく変化するため、事前にクラブハウスなどで掲示される当日のスピードを確認したり、手で転がしてみて距離感を掴んでみるといいでしょう。
ボールを打つより体を温めるべき
また、同じくレッスンプロの三浦辰施氏は「ラウンド前の練習では、ボールを入念に打とうと思わないほうがいい」と話します。 「自分は試合に参加することも多いのですが、プライベートのラウンドだけでなく競技の場でも『一人あたり◯球まで』と、打てるボールの数やドライビングレンジに行ける時間が制限されている場合も少なくありません」 「あくまでも現状把握が目的のため、自分のコンディションがある程度分かれば各クラブを均等にチェックしなくても問題はありません。実際に1球だけで別のクラブに替えてしまう人や、全てのクラブを試さないでスタートする人もいます」 「『仕事の後に行く打ちっ放しではボールがちゃんと飛ぶのに、本番のラウンドではミスショットばかり』という経験がある人もいるかもしれません。これは、平日は仕事をしながら体を動かしているので既に体が温まった状態で打てるのに対し、休日はプレー開始直前まであまり体を動かせていないことが原因として考えられます」 「練習場でボールを打つのも大事ではありますが、むしろウォーミングアップを入念にやっておくことのほうが、より重要だといえるでしょう」 練習場で「自分はドライバーが曲がりやすいから、ドライバーを多く練習にしてスイングはこうして…」と考え込んだり気合を入れ過ぎると、貴重な時間を無駄にするだけでなく、スタート前から疲れてしまって本番のスコアに影響しかねません。 そういった意味でもスタート前の練習は気張らずに行い、その日の自分を受け入れながら、どこで挽回できるかを考えるのが、最適な過ごし方といえるでしょう。
ピーコックブルー