エヌビディア株大幅高、好調な売上高見通しでAI期待に応える
(ブルームバーグ): 人工知能(AI)ブームの中心にある米半導体メーカー、エヌビディアの株価が23日に大幅上昇した。前日に市場予想を上回る強気な売上高見通しを示し、AIコンピューティング投資が引き続き堅調なことを示唆した。
23日終値は9.3%高の1037.99ドル。時価総額は約2200億ドル(約34兆5200億円)膨らみ、2兆5000億ドルを超えた。この増加額は半導体大手インテルの時価総額よりも大きい。エヌビディアが四半期売上高で見込む280億ドルは、市場で予想されているインテルの売上高の倍を超える。
22日の発表資料によると、5-7月(第2四半期)の売上高は280億ドル前後になる見通し。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の平均は268億ドルだった。2-4月(第1四半期)の業績も、データセンター部門の成長に後押しされ、予想を上回った。
エヌビディアの株価は22日の通常取引終了時点で、年初来で92%上昇した水準にあっただけに、決算発表で示される最新の数字が株価高騰を正当化できるかどうか、大いに注目されていた。
決算内容は期待を裏切らず、ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は新時代の幕開けだと言及して興奮をあおった。同CEOはインタビューで「新しい産業革命の始まりだ」と述べ、「本当にエキサイティングだ」と語った。
好調な売上高見通しは、エヌビディアがAI投資の最大の受益者の立場にあることを裏付けた。同社が手掛けるAIアクセラレーターは、データセンターがチャットボットなどの最先端ツールを開発するのに役立つチップ。過去2年間で注目の商品となり、売上高は急増した。
2-4月期の売上高は260億ドルと、前年同期比3倍強に拡大。1株利益は一部項目を除いたベースで6.12ドルだった。アナリストの予想では、売上高は約247億ドル、1株利益は5.65ドルと見込まれていた。
エヌビディアは1対10の株式分割と、四半期配当を150%増の1株当たり10セントにすることも発表した。