池田瑛紗、菅原咲月、川﨑桜、井上和が語る「五期生の近い未来」【乃木坂46物語~次の世代を迎える前に~】
加入してからの約2年半で最も成長したこととして、彼女は「堂々とパフォーマンスできるようになった」と語る。 人前に立つことが苦手で、フィギュアのテストもそれで苦しんだ部分も大きかった。今でもそこまで得意ではないけど、乃木坂46の一員として、東京ドームのような大きいステージに立たせていただいて。気持ちはかなり強くなった気がします」 加えて、他人と接する面白さも知ったという。 「毎日のように違う方と違うお仕事をさせていただくグループなので、いろんな方に出会えて、刺激をいただいています。 でも、そんな毎日だからこそ、この活動は穴をあけてはいけないと思っていて。昨年、骨折で全国ツアーの明治神宮球場での公演に出られなくなってしまったときが一番悔しかったです。今年はその気持ちを晴らせるように、先輩方や同期といいパフォーマンスを見せたいです」 ■本気でやりたいことに気づいた少女【井上和の場合】 幼少期の井上和は、両親から「危なっかしい」と言われる子供だった。 「とにかく心配をかけていたと言われます。スーパーとかで、直感的に『この人についていったら面白そう』と思った知らない人についていったり、ひとりでかくれんぼを始めたり。今でもそうですけど、よく言えば好奇心旺盛で。いろんなものに突っ走っちゃう子供でした」 そんなおてんばな性格だった井上だが、小学校、中学校と学年が上がるにつれ、次第に消極的な子へと変わっていった。授業で手を挙げることに恥ずかしさを覚え、校内クラブの所属を決めるホームルームでも、やりたかったものがあるにもかかわらず、「余ったものでいいや」と受け身になっていた。 「年齢的な変化でもあると思うんです。でも、私の中で『もしかして、これがきっかけ?』と思う出来事があって。小学校高学年の頃、友達とファストフードによく通ってたんですけど、そこで友達に、私が描いたイラストを見せたんです。顔の割に目が大きい、アニメチックな、小学生がよく描くイラストで。今思えば上手ではないけど(苦笑)、当時の自分としてはたぶん、それなりに自信があったものだったんですよね」 それを見た友人は、井上にこんな言葉を言い放った。 〝あんまり絵のことはわからないけど、それは上手なの? アニメっぽくて、ちょっとダサいよ〟。 「びっくりした出来事でした。自分が好きだ、正しいと思っていても、ほかの人も同じように思ってくれるとは限らないんだって。そのとき、自分のことがすごく恥ずかしくなって......それからですかね。人がどう見てるか、すごく気にするようになりました」 母と一緒に洋服を買いに行っても、「私はこれが欲しいけど、お母さんはかわいくないって思うかもしれない」と悩んで言い出さない。友人のひと言は、井上の性格を大きく変えてしまった。 そんな彼女は、高校生活の中で本来の積極性を自ら取り戻すことになる。