福島県在来の古代米使用のみそ 完成 福島大と会津天宝醸造が連携
福島県在来の古代米「白早生(しろわせ)」を使った米みそが完成した。福島大食農学類発酵醸造研究所と会津天宝醸造(会津若松市)が協力し、香りやうまみの強いみそに仕上げた。12月限定で学内の学食のみそ汁に使う他、来年3月のイベントで販売する。今後、どぶろくなど古代米の活用を広げていく。 大学が11日の定例会見で発表した。研究所は「白早生」を復刻させようと農林水産省のジーンバンクから種もみを譲り受けて栽培を始めた。昨年夏に収穫したコメを原料に会津天宝醸造と協力してみそ用の米こうじにし、赤みそと白みそを試作した。 今回は白みそを「白早生糀 会津みそ(白)」として試験販売する。こうじ特有の甘い香りがあり、だしが必要ないくらいしっかりとしたうま味があるのが特徴。学食のみそ汁に使うのは今月20日まで。販売する来年3月のイベントは1、2の両日、郡山市のビックパレットふくしまで開催する「ふくしま酒・味噌醬油まつり」。
来年度は未来農業(福島市)と連携し、古代米の栽培を増やす計画だ。みその市販化や吟醸酒の醸造、コメとして売り出し販路を拡大する。 食農学類教授の松田幹所長と西尾俊亮特任講師が会見に臨んだ。松田所長は「(古代米の復刻は)食の多様性を守り、地域ならではの観光資源として期待される」と意義を語った。 「白早生」は会津若松市の矢玉遺跡から出土した木簡に記載され、奈良・平安から江戸時代まで栽培されたとされる。品種改良が進み、現在は農業用としては作られていない。