高1の大谷翔平が涙、花巻東まさかのコールド負け…幼なじみ捕手が振り返る“最後の夏”「最後、一緒にバッテリーが組めて…」
今季ドジャースで活躍を見せる大谷翔平。その姿を日本から見守る幼なじみがいる。高校までバッテリーを組んだ2歳年上の捕手・佐々木大樹だ。佐々木が誘い、花巻東に来た大谷翔平。佐々木にとっての最後の夏を迎える――。(全2回の第2回/前編はこちら) 【画像】「え? こんなガリガリだったの…!?」坊主頭姿で涙を見せる高校3年の大谷翔平、栗山監督との「運命の出会い」も…高校時代の写真を見る
頼むわ。流れを変えてくれ
花巻東で過ごした最後の夏。4番捕手、そして主将とチームの中核を担った佐々木大樹(だいき)が最後にバッテリーを組んだ相手は、2学年下の幼なじみだった。 2010年夏の岩手大会。連覇がかかる花巻東は、2回戦の花泉、3回戦の金ケ崎をともに10-1の7回コールドで撃破。1年生ながら背番号17でベンチ入りした大谷翔平は出番がなく、ベンチで声を嗄(か)らしながら先輩たちの背中を押した。 しかし7月22日、盛岡中央との4回戦は、まさかの展開となった。序盤から失点を重ね、4回を終え0-8。大谷は、そんな劣勢の6回裏に、4番手投手として初めて出場した。前年夏の王者として、このまま終わるわけにはいかない……。緊張した面持ちでマウンドに向かう大谷に、佐々木は声をかけた。 「頼むわ。流れを変えてくれ」
大谷に手渡した野球用具
高校野球におけるコールドゲームの規定は、5回終了時に10点差以上、または7回終了時に7点差以上。仮にこの回を0点に抑えても、7回表に2点以上を取らなければ、コールドゲームが成立してしまう。佐々木洋監督は、最速144キロを投じる大型1年生に、試合の局面を変える好投を期待してマウンドに送り出した。大谷も無安打無失点に抑え、ベンチに反撃ムードを呼び込んだ。 「まずは点差を縮めようとしか考えてなくて、監督も翔平で流れを変えたいと思って使ったんだと思います。最後はショートライナーで抑えたのは覚えています」 7回表。打席が回った大谷は二塁打を放ち、「投打二刀流」のデビューを飾ったが、本塁を踏むことなく、0-8のまま7回コールド負け。佐々木の高校野球、そして大谷と過ごした短い夏は終わりを告げた。 「翔平と小さい頃から野球をしてきて、最後の最後でバッテリーを組めたのは本当によかったし、今となってはいい思い出になっています」 試合後には、涙を見せる大谷に、自身が使用していた打撃用のエルボーガードとレッグガードをそっと手渡した。いずれはチームの主軸として活躍するであろう後輩に思いを託し、花巻東を卒業。目標だったプロを目指すため、首都大学リーグの強豪・東海大へと進学した。
【関連記事】
- 【#1を読む】大谷翔平「小4からホームラン量産」伝説…幼なじみ捕手が振り返る成長物語「中学の時はストライクが入らず、大変だった」
- 【写真】「え? こんなガリガリだったの…!?」坊主頭姿で涙を見せる高校3年の大谷翔平、栗山監督との「運命の出会い」も…高校時代の写真を見る
- 「オオタニは彼らとは違うんだよ…」ドジャース大谷翔平にヤンキース球場職員が放った“皮肉”のワケ…徹底的なブーイングのウラに「複雑な心境」
- 【画像】「大谷さんの肉体美…Tシャツはち切れそう…」ムキムキすぎる腕と胸板!ガリガリな17歳時と見比べ。ベッツとトラウトから熱烈ハグ、テオには“胸筋ツンツン”【ショウヘイの愛されまくりな日々】とともに見る
- 【貴重写真】大谷17歳ガリガリ…なのに甲子園で衝撃の特大HR、17歳なのに貫禄がスゴい筒香。まるで別人みたいに細い柳田、ヤンチャそうな学ラン姿の張本、実は投手だった王さん…名選手160人超の高校時代を見る