高1の大谷翔平が涙、花巻東まさかのコールド負け…幼なじみ捕手が振り返る“最後の夏”「最後、一緒にバッテリーが組めて…」
プロ入りから都市対抗へ、佐々木の目標
室蘭シャークスは、大谷が日本ハムからメジャーへと移籍した2018年より、クラブチームから企業チームへと登録変更。翌2019年、「日本製鉄室蘭シャークス」に改称したその年に、アマ最高峰の大会である都市対抗に出場した。佐々木は2回戦の日立製作所戦に「8番捕手」でフル出場。惜しくも0-2で敗れ初戦敗退となったが、東京ドームに鳴り響く大歓声は、今も耳に残っている。 佐々木の夢は、大谷と同じプロの舞台へと上がることから、いつしか都市対抗出場へと変わっていった。 「捕手だと年齢的にもきつくなってくるので、プロは厳しいなと思っていました。でも、純粋に野球が好きですし、都市対抗は観客や応援も本当に凄くて、それがモチベーションになっていて、ここまで野球を続けています」 気づけば、チームで2番目の年長となる32歳になった。社会人ではベテランの域に入る。「求められるのは自分の結果だけじゃない。チームのことも考えていかないといけない」と、自身の立ち位置も分かっているつもりだ。ただ、大谷と同じく、佐々木もまた、日々進化することを考えながら野球に取り組んでいる。 「まずは試合に出られるまで現役を続けたいと思っています。そしていつかは岩手に帰って、地元の野球に貢献したいなと思っています」 幼なじみは、海の向こうで1000億円を超える契約を交わすまでのメジャーリーガーとなった。
大谷翔平は「野球の神様」
「野球の神様ですね」 佐々木は笑いながら、大谷翔平の存在をそう評した。 「翔平も最終的には、岩手に帰ってきて……いや、日本の野球にもっと貢献してくれるんじゃないかなと思います」 かわいかった後輩は、もはや岩手の枠には収まりきらないほどの野球選手へと成長した。ただ、故郷で一緒に野球に携わることができれば、こんなにも幸せなことはない。その日を夢見て、佐々木は今日も白球を追う。 <前編もあわせてお読みください>
(「甲子園の風」内田勝治 = 文)
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