三菱新型「アウトランダー」、実車に乗って驚愕!わずか3年弱で「全く別のクルマ」に、いったい何が変わったのか
(桃田 健史:自動車ジャーナリスト) 三菱自動車が神奈川県内で、新型「アウトランダーPHEV」の報道陣向け公道試乗会を開いた。 【写真】新型「アウトランダー」のボンネットを開けてみた。PHEVのパワーユニットはこうなっている! 新型といっても、先代モデルが市場に出回ったのは2022年に入ってから。しかも、パッと見たところデザインが刷新されたと言えるほど大きな変化がないように思える。 ところが、実車に乗って驚いた。 先代モデルとは「全く別のクルマ」に感じるような仕上がりなのだから。これは、マイナーチェンジの域を明らかに超えており、確かに新型を名乗るにふさわしい。 大きな変化は、「走り」と「音」だ。 今回、三菱がアウトランダーPHEVの新型化を決断した背景には、ユーザーや販売店からの「声」が大きい。 まずは外から見た質感だ。 アウトランダーPHEVの購入を検討するユーザーは、国内ブランドではレクサス、海外ブランドではメルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどのプレミアムブランドと比較する人が少なくない。 そうした中で、「さらなる上質さや機能性」を求める声がある。 もうひとつは、走りだ。 より上質で安定した走り味や、操縦性をさらに上げた走り味を求める声だ。 電動車の性能としては、より長いEV航続距離を求める声がある。 そこで、新型では、見た目や走り味の改良を別々に考えるのではなく、「感性的質感の向上」を開発キーワードに掲げたという。 では、実車を見て、そして走ってみながら、三菱が言う「感性的質感の向上」を確認してみたいと思う。 パッと見た目は、相変わらずの「威風堂々」だ。
■ お、速い! 「威風堂々」が深掘り 三菱のデザインは2000年代以降、アメリカ西海岸のデザインスタジオや、日産自動車との連携強化に入ってからなど、これまで様々な変化点があった。それぞれの時代で、三菱のデザイナーと意見交換してきたが、近年になりやっとひと目で三菱と分かる個性が根付いてきた印象がある。 それが、先代モデルの商品コンセプト「威風堂々」で花開いた。 今回、威風堂々らしさが深掘りされた。 具体的には、グリルやバンパーなどが再設計されているのが分かる。また、ターンランプやバックランプがLED化され、全高が5mm上がり、ホイールデザインも変更している。 では、走り出そう。 走り出してすぐに、先代モデルとは「全く別のクルマ」であることを実感した。 軽いアクセルの踏み込み、ハンドルの切り出しだけで、先代モデルとの違いが明白なのだ。海沿いの有料道路を走ると、車速の伸びがとてもよく「速いEV」と感じる。 つまり、加速時でもエンジンがあまりかからないのだ。また、エンジンがかかってもその存在はあまり意識しないほど始動時の音や振動が少ない。 こうした走りの第一印象における「先代モデルとの違い」は、先代モデルを初めて乗った時の「先々代モデル(初代モデル」との違いとも、違うのだ。 時計の針を少し戻すと、2022年1月後半に千葉県内のオフロードコースで実施された、先代モデルの報道陣向け試乗会で、先代モデルで走り始めて最初に感じたのは「軽さ」だった。 見た目は威風堂々でも、ハンドリングは軽く、クルマ全体の動きが軽やかに感じた。サスペンションの動きも実にしなやかだったのだ。