防御率5.69 ヤクルトのリリーフはなぜ打たれる?
■DeNA 課題の投手陣は改善せず。しかし打線は強化された 昨シーズンはついに最下位を脱出、さらなる前進が期待されたシーズンだったが開幕からDeNA初年度を上回るペースで黒星を重ねてしまった。しかしここにきて初の4連勝を記録するなど上昇の兆しが出てきている。 開幕からのつまずきの原因となったのは先発投手だ。表3にあるようにほぼ半数の試合で初回に失点、3回までに失点した試合は全体の75%にも及んでいる。この結果多くの試合で先手を奪われることになり、ここまでにDeNAが先制した試合はわずか8試合。昨年のNPBで先制したチームの勝率は.668である。ほとんどの試合を不利な状況で始めてしまっては勝てないのも無理はないだろう。
しかし投手の質を急に向上させることはできない。先手を取られてしまうことが多い状況を踏まえたうえで、より多くの得点を奪うために攻撃することが勝利への道となるだろう。DeNA打線は昨年より確実に強化されている。昨年28試合を消化した時点での得点数は111、今シーズンは123。 打者の出塁率と長打率は昨年が.314/.371、今シーズンが.321/.376。一見変わらないように見えるが昨年のこの時期爆発的に打っていたブランコが今年は半分以上の試合に出場していないことを忘れてはならない。表4はブランコの成績を抜いた昨年と今年の打撃成績の比較だ。ブランコ頼みから脱却しDeNA打線は確実に強化されているのだ。ブランコの復帰が予定される交流戦からはさらに破壊力を増した打線の姿が見られるのではないか。 投手陣全般という大きいウィークポイントは確かにある。これは一朝一夕には解決できない問題だ。しかし打線というストロングポイントを前面に押し出しこれをある程度カバーすることはできるだろう。強化された打線で昨年以上を目指してもらいたい。 ※注目選手 三上朋也 いくら打ち勝つといっても最後だけは投手が締めくくらなくてはいけない。もっとも厳しいポジションをルーキーながらつかもうとしているのがドラフト4位で入団した三上だ。13試合に登板して失点はわずかに1、17イニングで18個の三振を奪い、なによりすごいのはここまで走者がいる状況で打たれた安打はまだ0だということ。試合展開上まだセーブシチュエーションでの登板はないが、守護神としての可能性は十分。初セーブの瞬間を楽しみに待ちたい。 (文中の成績は5月4日現在) (株)日刊編集センター