日本酒のプロに訊く! 2024年の正月&三が日に飲みたい「厳選日本酒」5選 #食楽web #日本酒
食中酒として優秀なにごり酒「純米吟醸 にごり酒 ハツユキ」【金升酒造】
今回ご紹介する中で唯一のにごり酒が、新潟県『金升酒造』の「純米吟醸 にごり酒 ハツユキ」。名前の通り、初雪をイメージしたお酒で、12月ごろに発売される冬限定の日本酒です。 にごり酒には粒感のあるタイプと、サラサラしたタイプがありますが、こちらはキメ細かいにごりが特徴。舌触りがシルキーで、喉越しも抜群です。 舌が“ピロッ”とする少しガス感のあるシュワっとした味で、甘さはにごりにしては控えめ。キレがあって食事にも合わせやすい日本酒なので、にごりが苦手な人でも飲めるハズ。 「にごり酒の中でも多彩な料理に合うのが特徴なので、正月料理にはどれもピタリとハマると思います。あえて挙げるならキンカンですかね(笑)。正直どの料理にも寄り添う日本酒です」(今さん)
縁起も味も抜群の大吟醸「龍勢 黒ラベル 辰年EDITION 純米大吟醸」
最後に紹介する日本酒は、高級感漂うパッケージが印象的な広島県『藤井酒造』の「龍勢 RYUSEI」です。2024年の干支である“辰(龍)”が名前に入っているので「龍勢」は年末年始の商品に気合いを入れている、と今さん。 普段は「黒ラベル」と呼ばれる純米大吟醸の、辰年限定エディションがこちらです。中身の仕様もラベルもやや違う仕様。ラベルは、地元・竹原出身のアーティスト 舞書家Chad.氏による描き下ろし。龍の生き生きとした力強い息吹が感じられるデザインです。 「龍勢」の高級な純米大吟醸に多いメロンのような香りと、「龍勢」ブランドの代名詞でもある生酛造り(きもとづくり)(※)のヨーグルトを思わせる乳酸菌系の香りが合わさった、果実味あふれる味わい。生酛は重くなりがちなイメージがありますが、こちらはとても軽快です。 「他の生酛(きもと)と違って、冷やしても美味しいタイプの日本酒です。もちろん『龍勢』ブランド全体に言えますが、ぬる燗にしても美味しいです。温度によって色々な顔を見せるタイプの日本酒なので、合わせられる料理も幅広く、おせちなど味の濃いものにも負けない味です。お雑煮と合わせても美味しいと思いますね」(今さん) (※)生酛造り(きもとづくり)……酒母を仕込んだ後、乳酸菌を添加せず一から乳酸を育てる昔ながらの製法のこと。お米の旨みを最大限に引き出し、深みのある濃酵な味わい、コクを感じられるのが特徴。