現存する世界最古のジュエラー「メレリオ」 15代目が語るメゾンの歴史の継承と未来への覚悟
グランサンクで唯一の独立系ジュエラーとしての誇り
WWD:ビジネス戦略は?
メレリオ:昔から、権力を表すものであったジュエリーと、よりカジュアルなビジューがあったように、ハイジュエリーからエントリー価格のジュエリーまで、全ての価格帯でバランスの良いラインアップを提案する。また、ラグジュアリー=高額という概念になりがちだが、購入してもらえなければ意味がない。購入してもらえる価格で提供するのが大切だ。歴史に培われたクラフツマンシップと品質、「メレリオ」として永遠の価値を持ち続けるジュエリーを提供する。
WWD:15代当主として歴史をどのように継承して伝えていくか?
メレリオ:「メレリオ」をはじめ、「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「ブシュロン(BOUCHERON)」「ショーメ(CHAUMET)」「モーブッサン(MAUBUSSIN)」から構成されるグランサンク(パリを代表する5大ジュエラー)のうち4社は全てグループ企業の傘下だが、「メレリオ」は独立企業だ。400 年以上、同族で経営してきて、将来的にも一族で役割を分担して質の高いジュエリーを生み出していく。そのためには、市場に飲み込まれない覚悟が必要だ。ラ・ペの店舗はアーカイブがあるだけでなく、そこでジュエリーを作り続けてきた場所。その空気感を守り続けるのが私の使命だ。「メレリオ」には、歴史とノウハウがあり、それを元に新しい世代に訴えかける魅力的なジュエラーにしたい。