神戸製鋼の9%ニッケル鋼板・溶材、舶用分野で同時採用。車運搬船のLNG燃料タンク向け
神戸製鋼所は18日、9%ニッケル関連製品(鋼材、溶接材料)が舶用分野では初めて同時採用されたと発表した。新来島どっくグループの新来島豊橋造船で建造される自動車運搬船のLNG燃料タンクに採用されたもので、タンクを製造する新来島サノヤス造船に神鋼が厚板、溶接材料を納入した。舶用分野以外では9%ニッケル鋼板・溶接材料を同時採用された前例がある。 過酷な施工条件下で行われるタンクの製造には、高度な溶接技能が求められる。すでに新来島サノヤス造船では、タンク本体長手方向継手に関して、神鋼製の9%ニッケル鋼用溶接プロセス搭載の小型可搬型溶接ロボット「KI―700」と9%ニッケル鋼用ニッケル基合金フラックス入りワイヤ「PREMIARCTM DW―N609SV」を実適用していた。 今回案件では神鋼の9%ニッケル鋼板も採用され、神鋼は今年度上期に厚板、溶接材料を納入した。溶接材料では半自動溶接用の「DW―N609SV」と「DW―N709S」、サブマージ溶接用の「PF―N3」と「US―709S」を納入した。小型可搬型溶接ロボット「KI―700」はリング製作の一部で使われた。 神鋼グループは、鋼材、溶接材料、鋳鍛鋼品など多様な事業の総合力を生かして、海運業界における脱炭素社会実現に貢献する。また、魅力ある企業への変革の取り組みについて「KOBELCO―X」と総称し、具体的な七つのXを設定している。今回の採用事例はCX2(お客様対応変革)、GX(グリーントランスフォーメーション)に相当する。