寿命「10⁵年」て一体何年!?長すぎた余命は「人類最後の1人に」家族と別れるラストに「切ない」「涙が止まらない」【著者に聞く】
世界に8000人しかいない珍しい病気「振り子病」を患ったルナ。医者に言われた余命は「10⁵年」という果てしない長さで…?小学館の拡散型漫画投稿サイト「#マンガイチ」で入賞した、こうが(Kouga_ss)さんの「余命10⁵年」を紹介する。 【漫画】本編を読む ■余命は「10⁵年」という果てしない長さを生き、人類最後の1人になってしまったルナ 珍しい病気「振り子病」を患ったルナ。この病気は、患者の余命が分かることが特徴だ。振り子病を患った患者の平均寿命は、58歳と通常より短命。しかし、ルナの場合は何度調べても余命が「10⁵年」という計算になってしまう。「気にすることはないわよ!」「生活に支障はないし…」となぐさめる両親。「良いなー、お姉ちゃんは長生きできて」と妹のユカはうらやむ。 しかし、ルナの一生は果てしなかった。「私の感じる一日は、普通の人の3年」。ルナが一人になってしまうことを心配し、両親は犬型ロボットの「ペロ」を飼った。両親、妹の死後、「ペロ」とふたりで暮らすルナ。 もう何台目かもわからなくなった「ペロ」は、ルナに「人間が減少し始めている」と話した。10万年という想像もつかない年月。それは、人類の繫栄と衰退を意味した。少しずつこの世から人が消えていく姿を描いた本作には、「涙が止まらない」「切ないけど好き」などの声が届く。 ■ドラゴンボールの「精神と時の部屋」が作品の構想のきっかけに ――本作を描いたきっかけは何でしょうか? 以前受けた別のインタビューとかぶってしまいますが、きっかけは「ドラゴンボールに出てくる精神と時の部屋」です。外部と365倍の時間差のあるあの部屋に窓があったら…という空想に、余命わずかの主人公を扱う作品群の逆パターンがあったら、登場人物はどんな行動をするのだろうかという妄想が合わさってこのお話は生まれました。 ――「振り子病」や「余命10万年」という着想もおもしろいです。テーマを設定するにあたって、どのようなことを意識しましたか? やはり時間の流れだと思います。途方もない余命を宣告されたルナがどう生きていくのか、そして周囲はどう変化していくのかなど、制作にあたりかなり考えさせられました。 ――読み終わって、「余命10⁵年」というタイトルがまた秀逸だな、うまいなと思ったのですが、なぜ10万年だったのでしょうか? SFらしさのあるタイトル表記にしたかったからです。ゼロを増やしたり「万年」の表記だと少しパッとしなかったので(このお話がSFに当てはまるかは分かりませんが…)。 ――初めはロボットだった「ぺロ」。ラストの吹き出し部分で、人間と同じ吹き出しになったところにコメントがありました。こうがさんがそのほかにこだわったところ、ここを見て欲しいなどのポイントがあれば教えてください。 15ページ以降は気に入っているシーンが多かったです。あと、人類が衰退し始めてからのペロの言動も気に入っています。 ――本作を通して伝えたいことは何でしょうか? あまり良くないことかもしれませんが、単純に私の描きたいことをそのまま描いただけなので特にメッセージ性を意識していませんでした。ただ、このお話を読んでくれた方の心に何かしらの影響を与えられたら嬉しいです。 ――本作は小学館の漫画投稿サイト「マンガイチ」で準入選されたそうですが、感想はいかがでしょうか? マンガイチに投稿する以前は、思うようにいかないことばかりでしたのでとてもうれしいです。 ――今後どのような作品を描きたいですか?今後の展開があれば教えてください。 次はもう少し明るい話を描きたいです。 ペロが旅立って、ルナは自分の寿命を確認するラスト。あと三年…。それは、ルナにとっては一日と同じだった。 取材協力:こうが(Kouga_ss)