「ナースのお仕事」のおかげで病院に行ってもよくしてもらえる――観月ありさが振り返る30年
モデル・歌手・俳優と、今もマルチに活躍する観月ありさ。デビューから30年が経ち、「伝説の少女」は45歳になった。「自由」を求めていた10代から20代、連続テレビドラマ主演記録や視聴率へのプレッシャーを感じながらも冒険心にあふれた30代。全力で走り抜けた30年以上を振り返り、今、40代の観月ありさが見ている風景とは。(取材・文:山野井春絵/撮影:星野耕作/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
「え? 連続ドラマ、みんなは毎年やらないんだ?」
1996年に放映が開始されたドラマ「ナースのお仕事」はパート4まで続き、スペシャル編を含めれば18年間もロングヒットした観月の代表作である。 「『あのドラマを見てナースになりました』という方がすごく多くて、病院に行くと本当によくしていただけて、ありがたいです。あれから時が流れて、医療の現場も様変わりしましたね。患者さんのデータもバーコードでコンピューター管理されていたり。一方で、ドラマのテーマとしては、描きづらくなっているのかなと思います。恋愛ものにしても、昔は携帯もなかったから、すれ違ってすれ違って……みたいなね(笑)、引きつける流れがあったと思うんですけど、便利になりすぎた時代って、ドラマチックになりづらいというか。この時代ならではの、また違う手法が求められているんでしょうね」
15歳でドラマ初主演を務めてから、観月は連続テレビドラマでの主演をずっと続けてきた。その後も「鬼嫁日記」「斉藤さん」と主演作でヒットを連発。いつしか周囲は、この連続主演記録をカウントするようになる。その記録は、当初自覚のなかった観月にとっても、次第に負担になってきたという。 「毎年、ルーティンのようにドラマの撮影に入っていて、何も特別なことだと思ったことがなかったんです。忙しくて、自覚のないまま20周年くらいまできて、騒がれはじめたときには、『え? 連続ドラマ、みんなは毎年やらないんだ?』みたいな。同業者の方にも『すごいことだよ』って言われて、ようやく『そうか、これはすごいことなんだ』って思いはじめてから、自分の中でも意識するようになりました」