奨学金で「300万円」ほど借りたいです。利率が1%なら利息の「3万円」を足して返済すれば大丈夫でしょうか?
奨学金の利用を検討するときに、利息がどのくらいになるのかが気になる人は多いでしょう。奨学金の返済額の決まり方や利息の正しい計算方法を知らなければ、返済額が想像よりも大きくて返済に困ることも考えられます。 そこで本記事では、奨学金の返済方法の違いや利息の仕組み、返済額の計算方法をまとめるとともに、具体的な返済額の例も紹介します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
奨学金の返済方法(割賦方法)は「月賦返還」「月賦・半年賦併用返還」の2種類
奨学金の返済方法には「月賦返還」「月賦・半年賦併用返還」2種類があり、どちらの返済方法を選択するかによって、同じ利率でも返済総額が異なります。 月賦返還とは、返還回数に応じて割賦金を毎月引き落とす返済方法です。貸与期間終了翌月から7ヶ月目の27日に返済がスタートし、毎月27日に定額が引き落とされます。 月賦・半年賦併用返還は、貸与総額を月賦(毎月引き落とし)分と半年賦(6ヶ月ごとに引き落とし)分に二分割して、それぞれの金額に応じた割賦金を定期的に支払う方法です。 月賦分の返済スタート時期と返済ペースは月賦返還と同様ですが、半年賦分の返還は貸与期間終了翌月から数えて7ヶ月目以降の1月または7月の早いほうの27日に返済がスタートします。 同じ貸与総額、同じ利率で奨学金を返済する場合でも、返済が開始するタイミングなどの条件によって、どちらの返還方式の返済総額が安くなるかは異なります(ただし、差額は若干である場合が多い)。返還誓約書で選択した返済方法は、原則として変更できないため注意が必要です。
奨学金の返済額の計算方法
奨学金の返済方式は元利金等方式(元金と利息の合計額が毎回一定額になる返済方式)です。毎回の返済金額は、貸与総額と返済方法に応じて決まった返還回数で元利金等計算して算出した金額と、据置期間利息(貸与終了翌月1日から初回返還期日までの期間の利息)を返還回数で割った金額を合計して決まります。 元利金等方式の返済では、始めに毎月の返済額を計算し、直前の借入残高に月利(年利÷12ヶ月)を掛けて毎月の返済額に占める利息返済額を計算します。つまり、返済開始当初は返済額に占める利息返済額が大きく、返済が進み借入残高が減るにつれて元金返済額が増えていく仕組みです。 利息の計算に用いる借入残高が毎月減っていくため、単純に借入総額に年利を掛けて返済総額を求めることはできません。また、奨学金の場合は据置期間利子も発生するため、通常の借り入れとも計算方法が異なります。 複雑ですが、奨学金の月賦返済額や半年賦返済額は次のような式で計算できます。 返済額=借入金額×月利×【(1+月利)の返済回数乗】÷{【(1+月利)の返済回数乗】-1}+据置期間利息÷返済回数