【独占】「清水建設」が約500億円かけて建造した世界最大級の洋上風力作業船、風車建設の巨大プロジェクトに密着!
午後7時に帰宅した垣谷さん。工事中は、会社が借り上げたアパートで生活している。この日、1年先輩の棚橋美奈さんが、最近元気がない垣谷さんを励ましに来てくれた。 「初めてなので、どういう風に立ち振る舞っていいかわからない」と悩む垣谷さんに、棚橋さんは「カッキーは“改善の人”。『これがあったから、次はこうしよう』といつも考えている。そういうのが、私はすごくかっこいいと思う」とエールを送る。 垣谷さんは、中国北東部・ハルビンの出身。幼い頃、両親が日本で働いていたため、おばあさんに育てられ、13歳の時、両親と暮らすために来日した。日本語を一から勉強し、大阪府立大学に合格。機械工学を学んだ。 「再生可能エネルギーで電力が賄えるようになると、もっと素晴らしい国になるのではないか。再生可能エネルギーに関わる仕事をしたいと思った」。 垣谷さんは夢を貫き、風力発電所を手がける清水建設に入社。ここでくじけるわけにはいかない。
9月上旬。海の上に風車を建設する世界最大級の洋上風力作業船「BLUE WIND」が、石狩湾の港に近づいてきた。清水建設が約500億円をかけて建造したこの船は、4本の脚で海の上に立ち上がり、波の影響を受けずに作業ができる。清水建設の井上和幸社長は、「この船を最大限に活用して、洋上風力の建設におけるトップシェアを取れるように頑張っていきたい」と話す。 石狩湾に建てる風車は全部で14基。この時すでに12基が完成していた。垣谷さんは、この巨大な作業船に乗ってプロジェクトを締めくくる重要な作業に参加することに。 「一番いい経験のさせ方かなと思う。しっかり得るものを得て帰ってきてもらいたい」。 根尾所長は、垣谷さんの成長に期待を寄せていた。
船での作業は約1週間で、残り2基の風車を建てるまで陸には戻れない。ガイアのカメラも、垣谷さんを追って船内へ。2階は作業員が寝泊まりする部屋で、ベッドと机、トイレとシャワーもあり、ビジネスホテルのよう。