富士山の火山活動とは「おそらく関係ない」 山梨県・震度5弱で気象庁が会見
3日午前6時37分ごろ、山梨県東部・富士五湖付近を震源とする地震が発生し、同県大月市で震度5弱を観測したほか、中部地方から伊豆諸島にかけて震度4~1の揺れを感じた。気象庁によると、地震の規模を示すマグニチュード(M)は4.8、震源の深さは19キロ(いずれも暫定値)。
気象庁は、地震の場合は最大震度5強以上を記者会見の基準としている。今回の地震はその基準には満たなかったが、富士山に近いこともあり、報道側の要請に基づいて同日午前8時40分から記者会見した。 説明者の束田進也・地震津波監視課長は、「(地震があった場所は)富士山からは30~40キロ、北東方向に離れている。地震があったこの辺りは、今回と同じ深さ20キロ前後の地震が、元々多く起こっている場所でもある。急にここで地震が起こったわけではない」と説明。富士山の火山活動を監視する地震計や歪計の観測データにも目立った変化はないことから「(富士山の火山活動とは)おそらく関係ない」と話した。 地震発生した周辺はフィリピン海プレートが陸のプレートに沈み込んでいる場所で、その沈み込みに伴って押されあう場所にあたる。今回の地震も、押し合う力によって起こる逆断層型の地震と解析されていることから、富士山の火山活動の影響ではなく、プレートの沈み込みに伴って定常的に起こっている地震と考えられそうだ。
フィリピン海プレートと陸のプレートの影響による地震というと、近い将来の発生が想定されている南海トラフ地震があるが、束田課長は「今回の地震の規模はM4.8。断層の大きさからすると、おそらく数キロ程度の長さだ。数十キロ、数百キロの断層が想定されている大規模な地震とは規模が全く違う。今回の地震が(南海トラフ地震の)きっかけになるか、というと、ほぼ関係ないと思われる」としている。