上も下も右も左も、全員いなくなった…手当たり次第壁を叩く騒音被害!経営するアパートにやってきた「迷惑入居者」の実録【不動産鑑定士兼税理士大家が解説】
泣き寝入り
知り合いの弁護士に相談しましたが、やはり、こうしたケースでは現行犯で証拠を掴むしかないそうです。しかし、現実的に考えて写真を撮るなどは無理な話でしょう。諦めるしかありませんでした。 結局、今回のケースでは「バレてるな」とA氏は心理的に不安に思ったようで、その後は少し大人しくなってくれました。
中古物件の場合は、購入前に現契約者の属性を確認
あとからわかったことですが、A氏は生活保護受給者だったそうです。気になってよくよく調べていくと、もうひとつ驚きの事実が発覚しました。筆者が購入したこの物件は、47部屋のうち12部屋が生活保護受給者だったのです。 もちろん、すべての生活保護受給者がA氏のような迷惑入居者となるわけではありません。生活保護受給者や生活苦の高齢者などは物件の存する地域の自治体によって、住居費の助成などが受け取れることも多いです。そのため、貸し倒れしにくく家賃収入が確保しやすいことから、安定した賃貸経営を行えると、あえてそうした入居者を積極的に募集するオーナーもいます。賃貸経営の戦略という面では、有効な策のひとつといえるでしょう。 中古物件を購入する場合、レントロールは皆さんチェックしていると思います。しかし、レントロールだけでは家賃や入居者の入居期間などしかわかりません。自身の賃貸経営を成功させるためには、まずはどのような戦略で臨むか、そのためにはどのような物件を選べばよいかということを考えるべきでしょう。 どのような物件であるかを知るために、購入前に管理会社へ依頼して、現契約の入居者の属性を調べてもらうことも一案です。具体的には、勤め先や、男性か女性か、などを確認しておくことをお勧めします。筆者は今回の件で大いに学びました。 沖田 豊明 沖田不動産鑑定士・税理士事務所 不動産鑑定士/税理士/行政書士
アパート経営オンライン,沖田 豊明