箱根駅伝2025で注目すべき"特別"な5人のランナー
〝3強〟を追いかける創価大にも〝絶対エース〟と呼べる選手がいる。東海大1年時に箱根5区を区間2位と好走している吉田響だ。しかも今季の吉田は従来のイメ ージを大きく覆すような活躍を披露している。 吉田といえば、上り坂や向かい風、それからロング区間に強さを発揮するイメージだったが、出雲と全日本は志願して〝スピード区間〟に臨んだのだ。 出雲2区は10位でタスキを受け取ると、駒大・佐藤が保持する区間記録を目指して突っ走る。向かい風にタイムを阻まれたが、区間2位に32秒差をつけるダントツの区間賞で後続に14秒のリードを奪った。 全日本2区も駒大・佐藤が持つ区間記録の更新を狙ってアタックした。トップと2秒差で走り出すと、吉田が先頭集団をガンガンと引っ張った。5㎞を13分52秒ほどで通過して、7㎞過ぎからは青学大・鶴川との一騎打ちになった。 ラスト勝負でわずかに先着を許して、区間賞争いは鶴川に〝1秒〟敗れた。佐藤の記録にも4秒届かなかったが、後続に41秒差をつけるインパクト抜群の快走を披露した。 区間エントリーでは補欠登録となり、榎木和貴監督は手の内を隠した、 吉田自身は、「自分は4年間、『山の神』を目指してきたので、5区を68分台で走って、区間記録(69分14秒)を塗り替えたい」と燃えているが、花の2区で起用される可能性も十分にある。他チームはその方が嫌だろう。 「往路優勝しての総合優勝」を狙う創価大は、國學院大、青学大、駒沢大の3強に一泡を吹かせるダークホースの一番手。吉田は「山の神」もしくは「2区の覇者」になれるのか。創価大の勝負を占う意味でも吉田の走りがポイントになりそうだ。 (文責・酒井政人/スポーツライター)
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