AIで勝つ企業へ、パナソニックグループは2035年までにAI関連売上30%を宣言
パナソニック ホールディングス 代表取締役 社長執行役員 グループCEOの楠見雄規氏は2025年1月7日(現地時間)、エレクトロニクスを中心とした最先端テクノロジーの展示会である「CES 2025」(2025年1月7~10日、米国ネバダ州ラスベガス)のオープニングキーノートに登壇し、AIを含むソフトウェアを大幅に強化する方針を示した他、脱炭素や資源循環などのサステナビリティに積極的に取り組む姿勢を示した。 Panasonic GoとAIに関するコミットメントを発表した楠見氏[クリックで拡大] 本稿では、オープニングキーノートの内容とパナソニックグループの展示内容を前編ではAIおよびソフトウェア戦略、後編では環境対策への取り組みをまとめてお伝えする。
2035年までにAI関連事業の売上高を全社の30%に
パナソニックグループは1967年に開催された第1回のCESから出展を続けている数少ない企業だ。その中で、CESでパナソニックグループがオープニングキーノートに登壇するのは、2013年の津賀一宏氏(現パナソニック ホールディングス取締役会長)以来12年ぶりとなった。 オープニングキーノートでは、パナソニックグループの100年を超える歴史を振り返るとともに、創業者の松下幸之助氏が取り組んできた数々のイノベーションや、「250年計画」とされる物と心の豊かさの実現に向けて、250年を25年ごと(節)に区切って革新に取り組む思想などについて紹介。2032年から始まる5節目に向かう中で新たな革新の切り口としてAI(人工知能)とソフトウェアを挙げ、AIを活用したビジネスへの変革を推進するグローバルな企業成長イニシアティブ(先駆的な取り組み)として「Panasonic Go(パナソニック ゴー)」を展開することを発表した。 パナソニックグループでは業務効率化のために大規模言語モデル(LLM)によるAIアシスタントサービス「PX-AI」を約18万人の従業員に導入した他、提供する製品やソリューションの中でのAI活用も推進している。 さらに、楠見氏は「既に北米ではBlue Yonder(ブルーヨンダー)やPanasonic Wellなども含めて既にAIに関する投資を100億米ドル以上行っている。こうした中でPanasonic Goを推進する中で、パナソニックグループ全体でも新たなコミットメントが必要だと考えた。2035年までにAIを活用したハードウェアやソフトウェア事業、ソリューション事業の売上高を、パナソニックグループ全体の30%まで引き上げる」と宣言した。